〇正月明けのお墓参り
私たちの町では、正月明の4日に先祖のお墓参りに出かける風習があります。お餅や干し柿を小さく切り、葉付きの小みかん等を墓前に供え、線香を手向けて一年の無病息災を祈るのです。昨日はあいにく雪の舞い散る時化た一日で、墓前の陰に隠すようにライターで線香に火をつけようとするのですが、風にあおられ中々火がつかず苦労しました。 まず自分の家のお墓に参り、続いて親類のお墓を順次巡って同じようなことをやるのです。わが家の親類の墓地は主に3ヶ所に集中していて、約十ヵ所を巡りました。その後は八幡浜にある妻の実家のお墓に参るべく海岸国道378号を走りましたが、昨日は山の中を走る国道56号が雪のため、路面凍結や積雪のない海岸国道に車が流れたため、いつになく多い交通量でした。海岸は積雪はないものの双海から保内まではそこそこで汐しぶきが上がり、まるで塩水のシャワーを浴びて走るような錯覚がしました。
保内町の若松蒲鉾店に立ち寄り、年末友人知人に送った蒲鉾の支払いを済ませ、八幡浜のお寺に着くと風雪は一段と強くなり、遠くに見える段々畑の頂上辺りは薄っすらと白い積雪が見えました。ボタン雪の中を寺の山門をくぐりましたが、境内では早くも黄色いローバイの花が初春を告げるように満開に咲いて、寒い中思わず夫婦が見とれてしまいました。悪天候なので大法寺の裏山の墓地には私たち以外人影はなく、八幡浜湾の遠くに九四フェリーの船影がかすんで見えました。風雪の中の急いでお参りを済ませ、兄嫁の勤めているショッパーズというお店にも立ち寄り、ここでは妻が精算を済ませて買い物をしている間に、私は同居しているダイソーという100円ショップでブログ用の紙表紙や人間牧場用のコマ後真を買い求めました。値段が安い分品質は劣りますが、使い捨てだと思えば結構便利なものが揃っていました。ピザ生地用の麺打ち棒や亀の甲タワシ、ステンレスボール等、不便を感じているものを買い求めました。
保内町で食事をして、昨日で正月や墨が終わり今日から仕事の妻の慰労を込めて、伊方町にある亀ヶ池温泉へ足を延ばしました。私も妻も温泉は大好きで久しぶりにのんびりしようという算段です。温泉は地味との人で賑わっていました。温泉の暖簾をくぐると偶然にも蜜蜂の師匠と出会い、話を弾ませ過ぎて妻からタオルを貰うのを忘れて脱衣し、慌てて蜜蜂の師匠に200円借金をしてタオルを買いに戻るお粗末さです。これも正月の戯言とお湯に流し、サウナや水風呂などを楽しみながらのんびりゆっくり過ごしました。 帰りに長浜町の村上薬局に立ち寄り、ご主人に入れてもらった熱い風邪薬をいただきながら世間話をしました。長浜町もご多聞に漏れず大洲市と合併してからどこかすきま風が吹くような寂しさだと、かつて隣町としてまちづくりを競い合った昔を懐かしんでいました。
お墓参りは先祖の供養のために出かけるのですが、小雪舞う寒さの中での墓参りは、線香の煙や香りも感じないほどの悪天候だったため、残念ながら「お墓参りを済ませた」という儀礼的なものに終ってしまいました。先祖もさぞやお叱りのご様子だろうと反省しています。十年余り前に亡くなった母親には親父のその後の様子を報告しなければならなかったのにそれも出来ず、またご先祖さんの顔を思い出すことも出来ませんでした。近々天気の良い日に畑に植えているシキビを取ってきて、再び墓参りをしようと思いました。
「あいにくと 時化た天気の 墓参り かじかむり両手 合わせはしたが」
「母ちゃんに 親父のことを 告げなくて 少し気がかり 天気になったら」
「温泉で 蜜蜂師匠 ばったりと 出会い重ねて 今年いい年」
「四国でも 雪降ってると 電話する 岩手の友は 驚きの声」