〇封書で丁寧な年賀状
正月の年賀状はお年玉つきハガキと大体決まっていますが、西条市丹原町に住む親友の西川則孝さんと砥部町長の中村剛さん、それに広島県三次市総領町の和田芳治さんからは相変わらず封書での正月あいさつでした。年賀ハガキは50円ですが封書だと80円もかかるのですから、丁寧だと思えばとても丁寧な年賀なのです。三人三様個性ある生き方を常日頃からしているし、三人とも時折封書のお便りが届く私にとっては手紙の常連さんなのです。 西川さんはいつも今時珍しい手書きのガリ版刷りのような体裁の「ちろりんだより」というのを送ってくれます。春・夏・秋・冬の季刊年4回の発行分を2回に分けて届ける省力化はいかにも彼らしいやり方ですが、ナンバーを見ると新春号は既に169号を数えているのですから頭が下がります。何年か前ふとしたことが縁で彼と会い、彼から「ししょ~う」と呼ばれていますが、彼が自宅横に造ったゲストハウスに「第二縁開所」という看板を贈ったり、彼が「ちろりんだより」に書き溜めた原稿を「晴れ時々ちろりん」という本として出版した折、頼まれてまえがきを書いたりと、つかず離れずの関係を保っています。彼は鳥取大学農学部を卒業した後同級生の奥さんと丹原町来見(くるみ)に入植し、自然循環型有機農業で作った野菜を宅配して、楽しくやっています。
砥部町長の中村さんは、町長になる前は旅行会社の社長さんでした。町長選に一度は落選したものの見事当選し現職町長として陶海道めぐりや砥部焼きまつりなど伝統産業の砥部焼きを生かしたまちづくりを展開、砥部在住だった宗教詩人坂村真民さんに信奉し、このほど記念館を完成させるべく努力しているのです。「念ずれば花開く」という坂村真民さんの言葉の句碑は今や全国各地に建立されていますが、真民さんの言葉や自身が砥部町広報に書いた記事のコピー、心に残った雑誌の記事などをコピー同封して送ってくれるのです。現職の町長でありながら「人生楽々工房」という便りを私のような無位無官なものにまで届ける気安さは真似のできない生き方だといつも感心しているのです。
広島県三次市総領町の和田さんは、ご存知過疎を逆手にとる会のメンバーですが、言葉遊びの天才です。普通だと「えっ変換ミス」と思われそうな言葉を臆目もなく使い人をドキッとさせます。コンセンサスを「混線さす」とか、貴族を「木族」と読ませたり、まあやりたい放題なのです。「私の恋文」という今回も送られてきた恋文はもうNO389号を数えているのです。広島県北レクの出身なので歌が歌えるし、絵が書けるし、マルチタレント並みの活躍ぶりです。宮崎さんや彼が率いる逆手塾は今年で30周年を迎えるそうですが、これほど長く輝き続けている地域づくり集団も私は余り見たことはないのです。今年の新年には「私の恋文」に、何の相談もなくいきなり30周年記念講演を頼むと依頼文が添えられていてビックリしてしまいました。ある意味私の目指す「書けて喋れて実践できて多芸人」ですから、受けて立たない訳にはいかないのです。
まあそんな訳で、今年も正月早々この三人の年賀封書は私の心に新たな波風を立て、スキルアップに大いに役に立ちました。私もバックナンバーこそありませんが毎日二本のブログを書いているのですから、この三人に負けるとも劣らず、あえて文明の利器といわれるインターネットで配信して、仲間や世間を騒がせているのです。地域づくり人の末席を汚す私にとって文章書きは最早一種の武器であり、活動の拠点である私設公民館煙会所も人間牧場も大きな大きな武器なのです。さあこの三人に負けないよう今年も頑張りましょうか。
「年賀状 ならぬ年賀の 封書にて 心揺らせる 便りが届く」
「それぞれに 文字を大きな 武器にして 地域づくり人 心動かす」
「そういえば 私も文字で まちづくり ささやかなれど 今年も書くぞ」
「昨日今日 書いたブログを プリントす 積み重ね見る 量に感心」