〇ビニール傘は一日12万本売れるそうです
青い空に白い雲といえば夏の代名詞です。沖縄に続いて南九州では、早くも梅雨明けしたようだと昨日テレビが報じていて、昨日の空と雲を見ていると四国もひょっとしたら梅雨明けしたのではないかと、思わせるような雰囲気でした。しかし本来なら6月下旬という時期は梅雨の真っ最中のはずで、このまま梅雨が明けると観測史上一、二を争うような速さらしく、夏の暑さが思いやられるようです。
今年の夏は福島原発の事故が引き金となって、脱原発とか電力不足が懸念され、クールビズや省エネの話題で持ちきりのようです。そのため暑かった気温が原因で、「熱中症」になった人を運ぶ救急車の出動回数が異常に多く、中には熱中症で死ぬ人まで出たようでした。
今年も埼玉県熊谷市では6月の気温としては過去最高の39.9度を記録したり、熱中症で運ばれた人の人数が、既に昨年の5倍に達しているようです。
隣に傘屋さんがあるから余計思うのですが、JRの列車内での忘れ物のトップはこうもり傘らしく、私も二度三度たまに乗る列車内にこうもり傘を忘れた経験があり、妻に叱られたことがあるのです。私が車内に忘れたこうもり傘はJRに連絡し、傘に名前を書いていたお陰で手元に戻りましたが、今は使い捨て用のビニール傘が主流のため、忘れ物に気付いて取りに来る人も殆んどなく、ゴミとして処分されるのだそうです。
日本列島は狭いといっても東西に長く、高温多湿な気候ゆえ日本のどこかで雨が降っているので、平均すると一日に売れるワンコイン500円のビニール傘は12万本というから驚きです。傘も今や使い捨ての時代で、物質的には富める国日本を象徴している出来事で、勿体ない世代に生まれた私のような人間には気になって仕方がないのです。私の自著本「夕日徒然草」も同じワンコイン500円なので、ビニール傘と自著本の値打ちが同じだと思うと、少し考えさせられます。
最近若者の間でこうした使い捨ての暮らしを見直そうという動きが広まりつつあるそうです。嬉しいことであり私もその流れには大賛成ですが、日本人の浪費癖はちょっとやそっとでは直りそうにないのです。コンビニエンスストアーの賞味期限が切れた弁当の廃棄処分量は相当なものだし、10年以上は持たないように作られているという電気器具類や、廃棄処分となった廃車置場を見る度に勿体ないと心が痛むのです。
身近な場所で行なわれる毎月一回の不燃物回収やペットボトル回収、紙ごみ回収も再利用されるというけれど相当な量で、作るのに金をかけ、回収に金をかけ、再利用に金をかけるのですから、経済のサイクルとはいいながら、ボタンの掛け違いのようにどこか間違っているようです。
わが家も今年、長男息子たち家族が同居するためにリフォーム工事が行われていますが、リフォーム工事に伴って大量の行き場のない道具類や衣服類を処分しました。今は工事をする大工さんが金さえ出せば処分場へ持って行って処分してくれるので便利といえば便利なのですが、長年使ってきたこれらの品々は、どのような末路を辿るのでしょうか。
「この傘を 五百円やる 作ってと 言われてみても 首を降るだけ」
「俺の本 ビニール傘と 同じ値で 売られるけれど 傘売れ本は?」
「冬がいい 夏来る度に 思うけど 冬になったら 夏懐かしく」
「気候まで 現代風に なっちゃった どこかおかしい 地球の変化」