〇里山の自然(その2)
私にとって人間牧場は、自宅から10km余り、時間にして15分ほどしか離れていませんが、場所的にも非日常的な異空間で、人里離れた里山を体験・体感できる場所なのです。今頃は子育ての季節でしょうか生まれたばかりの雛を連れたキジがそこら辺を歩き回り、何という虫かは分かりませんがクマ蜂に似た蜂が何匹もミツバチの巣箱周辺を飛びまわっています。昨日は草刈りの手を休めて虫取り網で飛んでいるこの虫を、ミツバチの天敵だと思えるので捕らえたりして過ごしました。実に長閑でミツバチの巣箱は沢山の働き蜂が出入りして活発に動き回っているようです。
今は、♭卯の花の匂う垣根に 不如帰早もき鳴きて しのびねもらす 夏はきぬ♭と歌に歌われている卯の花が白い花をつけて満開なのです。普通は草刈機で刈り取ってしまう雑木ですが、あまりの美しさに目を奪われ、刈り取るのを辞めて見とれてしまいました。
野の花はバラや百合のような派手さはありませんが、清楚で控え目で見ていても飽きがきません。紫の露草も野バラの花でさえも一輪挿しに挿して楽しみたいようないとおしさがあるのです。これぞ里山の楽しみ方なのでしょうが、これらの雑草はほおっておいたら地上を覆ってしまうので、草刈の対象物として葬り去られるのです。
今は野いちごの季節で、草刈機の前の草むらの至る所に真っ赤な野いちごがあります。草刈りの手を休めて草の中に入り、つわぶきの葉っぱを枝木で止め、円錐形の入れ物を作って野いちごを入れると、もうそれは里山を楽しむ楽しい遊びに変身するのです。また細く延びた箒草のような草を結んでのイチゴを串刺しにして遊んだ昔が懐かしくなって遊んで見ましたが、これも楽しいものです。フキの葉っぱを手で丸めて空間を作り、上から思い切り叩くと「パーン」という音が出るのも面白い遊びです。
里山での遊びの思い出は少年の頃へといざなってくれるのです。
畑の隅でサンキラの葉っぱを見つけました。私はこの葉っぱのことをばっぽの葉と呼んでいます。ばっぽとは饅頭の総称で、初夏のこの季節になるとばっぽの葉っぱを取って帰り、母が小麦粉や米粉をこねて餡子をいっぱい入れた蒸し饅頭を造ってくれました。イースト菌の代用に化成ソーダーを入れて膨らした蒸し饅頭はとてつもなく美味しく、蒸す木から吹き出る蒸気が運ぶ匂いを嗅ぐのは至福の時でした。
今はくじらという小さな海産物屋を営む妹が、店で手造り販売しているので時々お裾分けをいただきますが、妹も母親譲りの味をちゃんと守って作っているようです。今日あたりばっぽの葉っぱを取ってきて妻に蒸し饅頭を作って欲しいと思っていますが、里山はこのように楽しさの宝庫なのです。
「里山は 遊びや食の 宝庫なり 至る所に 遊びや食が」
「人知れず 咲いている花 美しく 思わず見とれ 刈り取る忘れ」
「野いちごを ツワブキ葉っぱ 入れ遊ぶ 真っ赤な色が 一際綺麗」
「この頃に なると母親 作ってた ばっぽの葉っぱ 蒸し饅頭乗せ」
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kazuさん
そうそう柏餅とも呼んでいましたね。
まあ食べ盛り、育ち盛りの少年時代は何を食べても美味しかったです。
今の子どもは毎日がお正月みたいで、逆に感動の思い出が少ないのかも知れませんね。
人間牧場主 若松進一
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子供の日におばあさんが、柏もちを作って
くれてたので、私にとってはサンキラの葉で
くるんだのが柏餅なんです(笑)
そして小麦粉で作ったのはダメなんです
子供の時のイメージって怖いですね (^^