〇孫とカワセミの巣立ち
昨日の朝、孫希心を近くの保育園へ連れて行きました。保育園へ行きたくないと泣きわめいた1ヶ月余りが過ぎ、今はそれなりに納得して歌を歌ったりスキップやかけっこをしながら元気に通園するようになって、すっきりした朝を迎えているようです。子どもはこうして少しずつ少しずつ成長して行くのでしょう。
昨日の朝のことです。登園するため孫二人と家を出ると、何やら小鳥の声が聞こえるのです。足元近くをよく見ると産毛の生えた小鳥の雛が飛べもせずヨチヨチ歩きをしているのです。声の主はその姿を近くの電線の上から見ているカワセミの親鳥でした。田舎の道といえど車が頻繁に通る車道なので、雛が引かれては大変と、そっと手ですくって草むらへ移動してやりました。雛は何を勘違いしたのか、私を親鳥と思ったのか、雛は私についてくるのです。危険だと感じた親鳥はもう必死で鳴いて見守っていました。やがて雛は草むらへ降りて来た親鳥と何処かへ行ったようでしたが、鳥たちの世界も巣立ちの頃を迎えているようです。
昨日の夕方孫希心が座敷の障子を破りました。息子たち家族が帰ってくるため私たち夫婦が4月に張り替えて間もない障子なのに、一ヶ所だけ三つも指で穴を開けているのです。障子は破れるものなのでしょうが、願わくば破らない教育をしてやろうと、希心の手を平手で叩き、そして押入れに入れてやりました。泣き叫ぶ孫は「もうしません」と泣いて謝っていました。暗い押入れが余程怖かったのでしょうか、シクシク泣きじゃくりながら私にすり寄ってきました。わが家でも4人の子どもを育てましたが、障子を破った子はいないのです。これも留守を預かる妻の教育だったのかも知れないと、今頃になって思いました。
今朝は孫希心によって穴を開けられた障子の補修をしてやりたいと思っています。願わくば孫が保育園へ行く前に、孫の目の前で張り替えたいと思って、先日使い残した障子紙と水糊を用意しました。穴の開いた場所をカッターで切り取り、そこだけ張り替えたいと思いますが上手く行くかどうか微妙です。
それにしても同居を始めて約一ヶ月が経ちました。同居をすると情が移るのでしょうか、二人の孫は日に日に私に心身ともに近づき、今では二人ともよき私の相棒ぶりを発揮しています。朝5時に目を覚ましウロチョロする孫奏心と、やっとわが家の暮らしに慣れかけた希心は、今はわが家の太陽的な存在です。泣いたり笑ったりふざけたり、時には昨日のように叱ったりしますが、一挙手一頭足全てが可愛らしい孫たちの仕草に、私たち夫婦は毎日癒されているのです。
「まだ産毛 雛が道端 ヨチヨチと 歩く姿に 親鳥ピーピー」
「五月病 やっと治って 何事も なかったように 孫は通園」
「悪ふざけ 障子に指で 穴開ける お仕置きのため 押入れ入れる」
「もうしません 泣きべそかいて お断り お爺は怖い 奴だと思う」