○三日三晩の土用干し
今年のわが家は梅が豊作で、梅干や梅ジュースを沢山作りました。それらはまだ製造過程で、梅ジュースは地下室で、梅干は自宅裏の倉庫でそれぞれ寝かせていますが、梅干も梅ジュースも仕上げの行程に入りました。梅ジュースは砂糖がよく溶けるように地下室に入り、梅酒の瓶をよく振って手助けをしなければなりませんが、今年は地下室の床下浸水騒動でその作業を行わなくても済みそうです。でも梅干は昨日土曜丑の日を迎えたのを気に、水洗いした干しサナを持ち出して、樽からすくい上げた塩漬け梅を干さなければならないのです。
昨日は急な思いつきだったため、妻は仕事に出かけていて私一人で土用干し作業をやりました。朝から夏の暑い太陽が容赦なく照りつけるため、全ての作業を日陰を選んでやりましたが、もう汗びっしょりになりました。塩漬け梅用の樽の蓋を開けると、甘酸っぱい梅干独特の香りが辺りいっぱいに広がって、思わず生唾が出てきました。何せ80キロもの梅なので、干しサナも間に合わず、竹ざるまで使ってどうにか干しました。干している最中に宅配業者がやって来たり、携帯電話や家の電話が鳴ったりし、その都度塩分濃度の濃い液体がついた手を洗ったり手を拭いたりしながら、もうそれは大変でした。
梅雨明けして間もないころ夕立が降りましたが、その後は岐阜県多治見市で40度近くの猛暑を記録するなど天気が安定していたのに、私が梅干を干した途端に全国各地に雷注意報が発令され、にわかに空模様が気になり始めたのです。これだけの梅干の量なので、留守を預かる91歳の親父には雨が降り始めてもガレージに収納することは不可能なような気もして、不安を囲って空を見上げています。
今朝は目が覚めると外を見ましたが、天気もよくて夜露をたっぷり吸い取った梅干は、今日も夏の熱い日差しを受けて日向ぼっこをすることでしょう。
今日私はしまなみ海道を渡って広島県世羅町へ行くため一日中留守をします。明日は北宇和高校、明後日はコープえひめの理事会や鳥取県琴浦町からお客さんがやって来て家を空けます。何とか今日明日だけでも天候が安定して土用干しが無事終われるよう祈っています。
土用干しが終われば瓶や壷に入れて梅酢を加えて地下室へ入れ、塩もみした赤しそを加えて来年の春まで寝かせます。そうすると真っ赤な梅干の完成です。毎日一個は梅干を食べる食生活ですが、これまでで一番いい出来具合の梅干もはたさて今年はどんな仕上がりになるのでしょうか。楽しみです。
「言い伝え どおり始めた 土用干し 三日三晩は 雨よ降るなと」
「梅干を 作り親類 おすそ分け 手間はかかるが 期待されてる」
「まろやかな 梅干作りに 欠かせない 土用干しする 香り広がり」
「夜露降り 梅の実今日も 天日干し ひっくり返して 万遍揃え」