○ツバメの雛の落下
海岸沿いの道淵に夏の到来を告げる合歓の花がいっぱい咲き、早苗も日増しに葉を茂らせ、いよいよ夏本番となってきました。わが家の車庫のコンクリートの梁に巣作ったツバメも3~4個の卵を産んで、雛が孵った巣の中から喉白きツバメの赤ちゃんたちが顔を覗かせ、足繁く餌を運ぶ親鳥が帰る度に、ピーピーと声を荒げて餌を食べているようです。
ツバメにしても雀にして最近の鳥たちはちゃっかりものが多く、ツバメは昨年の巣をそのまま使い、雀はツバメが巣立って空き家になるとちゃっかり巣を横取りして陣取るのです。人間世界も住宅難で借家住まいの人も多いのですが、鳥の世界も住宅難で借家住まいなのかも知れないと苦笑するのです。
昨日の夕方食事が終わり、妻と散歩に出かけようとすると、車庫の入り口になにやら黒いものが落ちていました。よく見ると産毛に包まれたツバメの子のようです。ツバメの巣から誤って落ちたのか、生存競争の結果落とされたのか分かりませんが、巣立ち間もないこの時期での落下を悲しむ妻は、「可哀想だから巣に戻してやって欲しい」と懇願するので、私は倉庫まで行って脚立を持ち出し、よじ登って巣の中へ落ちた雛を戻してやりました。
狭い巣の中では3羽の雛たちが寄り添うように身を寄せ合っていましたが、それらをそっと寄せて左隅においてやりましたが、落ちた雛はかなり衰弱しているようで、このまま巣立ちを迎えれるのか心配です。
昔からツバメの巣立ちは大安だと知恵者から聞いていました。今月の大安は6日・17日・23日・29日です。普通だと仏滅の明くる日が大安なのですが、今月は11日が仏滅で12日が大安のはずなのに何故か赤口なのです。ツバメの雛の落下を見ているだけに不吉な予感もしましたが、ポジティブに考える性格なので、17日まで飛んだ大安を雛の巣立ちの人定め注意深く見守ってやりたいと思っています。
昨日妻に頼まれて畑へなすときゅうりを取りに出かけました。ちょいとのつもりで書斎の窓を開けたまま出て帰ってみると、親ツバメが一羽部屋に紛れ込んでいました。私の気配を察知して直ぐに外へ跳んで逃げましたが、今思うとあの親ツバメは私に雛を助けてとメッセージを届けに来たのではないかと思うのです。
自然や動植物は人間の知識では推し量れない不思議な予知能力を持っています。ツバメが私に託したメッセージは果たして何だったのでしょう。
「近頃は ツバメ雀も 住宅難 借家住まいで 子育て済ませ」
「落ちた雛 脚立に登り 元の巣へ 元気に育て 願いをこめて」
「親ツバメ 私の部屋に 迷い込む 不思議といえば 不思議な話」