○生き場所がここにもあった屋根の草
お寺の山門の入り口に小さな黒板があって、住職が書き込むのでしょうか、仏教の教えや色々な言葉が書かれています。先日訪ねたあるお寺の黒板に「生き場所がここにもあった屋根の草」と書いていました。今朝何気なくわが家の屋根を見ると、この言葉そのままに屋根のかわらの隙間から、沢山の雑草が生えているのが見えました。植えた訳ではなく、多分胞子が飛んできて根付いたのか、かわらの下に敷いた土に混じっていた草の種が芽吹いたのか定かではありませんが、まあ梅雨時といいながら太陽の熱をまともに受ける屋根の、土分も水分も殆どないこの場所でよくぞいきているななと感心しきりに見ていました。
しかしこのままほおっておくと外観は勿論屋根を傷めるので、はしごをかけ思い切って屋根に上りました。屋根は滑りやすいので滑りにくい運動靴に履き替え恐る恐るへっぴり腰で歩き、草の生えている場所まで行きました。草は殆どがハズの葉で割れ目に食い込んだハズの根は容易に取れませんでしたが、丁寧に引き抜いて手箕いっぱいの雑草を取りました。
ついでに長い長い土塀の外側にもシダのような雑草が沢山生えているので、よじ登って取りました。こちらは家向きは私の背丈ほどですが、外向きは3メートルほどの石垣になっていて高いのでこれまた慎重に引き抜いてゆきました。朝の爽やかな時間帯でしたが緊張のためか、降りた頃には汗をびっしょりかいていました。
すっかり綺麗になったところで、人間牧場水平線の家のトイ詰まりのことを思い出しました。日曜日に公友会の研修会があった折、トイに落ち葉が詰まっていて折から降り出した雨でトイが湧き越していました。またかまど小屋の屋上緑化する予定のFRPにも雨がいっぱい溜まっているようだったので、思い切って単車で人間牧場まで走り、長靴に履き替えて梯子をかけて掃除をしました。
そういえば人間牧場が出来てこの6年間、トイの掃除はたった一回しかやっていなかったのです。落ち葉が腐ってかなり溜まっていました。手の入りにくい場所のため、少し難儀をしましたが、水を流して綺麗に流れることを確認して、屋根から落下することもなく掃除を終えました。これをメンテナンスというのでしょうが、もう少し梅雨明けは先のようですが、これで雨が降っても一安心です。
「屋根の草 植えず蒔かずに よくもまあ 生えるもんだと 感心しきり」
「落ちるなよ 屋根を見上げて 親父言う 幾つなっても わが身忘れて」
「屋根の上 下界を見れば また違う 見方が出来る しばし呆然」
「抜いた草 畑の隅の 焼却炉 火をつけ焼いて 跡形もなく」