○公民館新任職員ネットワークセミナー
先日6月11日、愛媛県公民館連合会から新任職員ネットワークセミナーの講師を頼まれ、旧県立中央青年の家だったえひめ青少年ふれあいセンターへ出かけました。50人を越える新任職員を前に、何を話そうか迷いましたが、「生涯学習・社会教育と公民館活動」という、新任職員には少し混同しそうなテーマだけに思い切って、先日全公連から依頼があって執筆原稿を校了したものの冒頭に書いた言葉から入ることにしました。
もし公民館に勤めているあなたが、日ごろ目にする次のような出来事に出くわしたら、あなたはどのようなことを考え行動するでしょうか。
●海や川が汚れ街が汚い
●学校が統廃合される
●限界集落が増えてきた
●青少年による犯罪が起る
●青年団や婦人会がなくなる
●村祭りが消える
●農地が荒れる
●人間関係がギクシャクする
●自然が破壊される
●バスや列車が廃線になる
これらは私たちの身の回りで最近起きている社会の変化のほんの一例ですが、公民館に勤める殆どの職員は、このことに気付きもせず、よしんば気がついても気がつかないふりをして、目と耳と口と鼻をふさぎ、考えたり行動したりもしないのです。そしてそれらの出来事は、海や川の汚染であれば生活環境課の、限界集落であれば総務課の、また農地が荒れれば産業課の食味の範疇だからとそっぽを向き、青年団や婦人会がなくなるという存亡に関わる問題さえ、さも関係ないといわんばかりに何の手立ても考えずやり過ごしているのです。
これ以上書いた記事を紹介すると寄稿した雑誌に悪いので、以下は省略しますが、日本全国の公民館はある意味存続の危機に瀕していることも事実なのです。行政は「金がない」「合理化」という名の基に公民館を容赦なく弱体化させ、指定管理者制度や委託を平気で行い、ひどい地域ではコミュニティ行政と称して、公民館をなくしようとする動きまであるのです。
そのような行政の横暴に教育委員会や公民館関係者はただ見てみぬふりをしているようにも思えます。しかし一番問題なのは公民館の恩恵に預かっている私たち住民が何の文句も言わずやり過ごしていることかも知れないのです。国県市町村と縦の組織を持っているし、公民館が日本の国づくりに重要な役割を果たしてきたことは紛れもない事実ですから、遅きに失した感もありますが、今一度公民館の役割とは何か、真剣に考えないと行政が教育にまで足を踏み込んでしまう危険性すらあるのです。公民館で飯を食い、今でも公民館を恩人と思う私の老婆心は最早古いのでしょうか。
「今年も 新任職員 やって来た どんな思いで 望んでいるか」
「左遷だと 思う職員 何人か いるかも知れぬ 早く去れ」
「公民館 地域づくりの 要だと 思う私は 古いでしょうか」
「公民館 いつの時代も 変わらずは 人の良し悪し 活動決める」