○地域づくり人養成講座
一年間に6回の学習をする、えひめ地域政策研究センター主催の「地域づくり人養成講座」の最終第6回学習会が一昨日開かれました。毎年のことながら地域づくり人を目指すこの会に招かれ、今回は発表に対するコメントと対談を行いました。それにしても昼食を挟んでの発表や対談それに閉講式と、午前10時から午後5時まで、延々7時間も続くかなりハードなスケージュールには、会議に慣れている私でも多少疲れてしました。
今年の受講生は21人ですが、大学生あり、女性あり、多少お年を召した方ありでバラエティに富んでいましたが、地域づくりは年齢でするものではないのでみんな熱心に取り組んでいました。この日のために皆さん研究レポートを書いていて、カラーでい印刷されたレポート集は一人2ページ程度のいずれも力作ぞろいでした。
地域づくり人に求められるのは読む、聞く、見るという学習によって得た受動的知識を、書く、喋る、実践するという能動的知恵の発露で表現しなければならないのです。正直いってレポートの書き方も、枚数の指定はあるものの書くことの指導は余り行われていないため、不出来と思いました。ましてやレポートを元に発表する発表の仕方も、何人かを覗けば素人に少し毛が生えた程度で、満足いく物ではありませんでした。でもこうしてレポートを書いたり発表をするプロセスを経て成長するのですから、むしろこれは修行と思えばむしろ立派過ぎるほど立派な成果でした。
レポートを見ながら発表を聞き、それらに対し意見を述べる仕事も容易ではありません。仕事の都合でやむなく欠席した人を覗いても17人が入れ替わり立ち替わり一人10分ずつ話すのですから、聞く方も真剣なのです。発表ごとのショートコメントはNPO法人まちづくり支援えひめ代表理事の前田眞さんに委ね、時間の都合で私は最後にまとめて話をさせてもらいました。
前田さんとの対談は「これからの地域づくり人とは」がテーマでした。対談といいながら前田さんが司会をし、私が前田さんの質問に受け答えするするような形で進行しました。1時間30分の予定でしたが、発表の時間が押して結局1時間になってしまいました。前田さんも私もそこら辺は慣れているので、何の事前打ち合わせもなく適当に喋りましたが、テーマの本質だけは外さず、あえて点数をつけるならまあ70点の出来くらいで終わりました。ポール・J・マイヤーの言葉に「鮮やかに想像し、熱烈に望み、心から信じ、魂を込めた熱意を持って行動すれば、何事もついには実現する」という言葉を引用して締めくくりましたが、この学びを自分づくり、地域づくりに是非役立てて欲しいと願っています。
閉講式終了後、市駅前の「庄や」という居酒屋へくり出し、30人の大宴会が持たれました。会費4千円2時間限定飲み放題でした。最近はこうした安い店が多くなりました。先日東京へ行った地域政策研究センターの松本さんの話によれば東京では、6千円6時間飲み放題という店もあるそうです。それで儲けるのだろうか?、そんな長い時間体力が持ちのだろうか?と考えさせられましたが、デフレ気味の世相を反映して、安売り、安呑み現象は当分続くのかも知れません。
酒を呑まない私にとっては、ウーロン茶一辺倒のこうした飲み会は元も取れませんが、それでもウーロン茶で酔ったような雰囲気になりながら受講生と楽しく話をさせてもらいました。
今年の受講生は概して理論型知識人が多いような印象を受けました。既に社会人、地域づくり人としての人格形成が出来ているのです。しかし違う側面から見れば多少理屈っぽく、変化しにくいようにも思えました。
最初に発表した鍋井さんの名前を借りれば、地域づくりは鍋とかまどと火によって構成されます。地域というかまどに鍋というきっかけを乗せます。その鍋の中に事や情報を入れて味付けをするのですが、それらを温める火となるのは自分や地域の人たちなのです。火にも色々あって炭火もあれば薪を燃やすことだってあります。この日の受講生は人の作った炭のような感じがしました。赤く燃えるものの所詮は人の作った炭なのです。初々しい受講生には是非薪になって燃えにくいながらも煙を出して欲しいのです。煙は時に目に涙を誘発するかも知れません。またこの煙は狼煙となって情報発信をするかも知れないのです。でも煙が上がること、やがて燃え始めることの意味をしっかりと覚えて欲しいと思いました。
「今年また 新たな種が ばら撒かれ それぞれの地に 根付き芽を出す」
「文章も 発表さえも 下手くそだ けれどもこれが こやしになりて」
「小理屈を 言う人なるな 手と足を 更にはハート 動かす人に」
「おっ、やるな そんな人にも 巡り合い 今年も無事に 修了証書」