○面河山岳博物館を訪ねる
明日開かれる予定のミュージアムシンポのメンバーに加わり、面河山岳博物館を訪ねました。先に坂本屋を訪ねていたので、砥部町を通らず別ルートで国道33号線へ出ました。三坂峠まで3キロの地点にいながら、そこから先は車道がないため引き返し迂回をしたような感じです。三坂峠までのつづら折りの道に比べると峠を超えた久万高原町内や美川を経て面河に至る道は全て2車線に整備されていてますが、時間的な余裕がなくスピードを上げて走ったため、同乗した遠来のお客さんには少々きつかったようでした。
私は常盤大学準教授塚原正彦先生と同乗したため、行き帰りの道中で様々なお話をすることができてラッキーでした。
面河山岳博物館には3度目ですが、前2回は忘れるほど前なので、初めて訪ねたような印象を持ちました。石鎚スカイラインの入り口付近にある博物館は合併前の面河村が造り、今は広域合併したため美術館、天体観測館とともに、小さな一つの町に3つもミュージアムがある珍しさとなっていますが、山岳博物館というその名が示す通りかなりアカデミックなミュージアムだし、冬になると厳しい寒さのために来館者も少ないため、経営的にはかなり苦しい感じを持ちました。
今は間もなく終わる夏休み中なので、特別企画展「愛媛と世界のクワガタムシ」は子どもたちが沢山やってきたのでしょうが、それもいよいよ明日で終わりのようでした。この博物館には2名の学芸員がいて研究や展示に大活躍しています。石鎚山に特化した研究は地道ですが、石鎚で見つかった新種タカネルリクワガタなど価値ある成果と言えるようです。
日本全国では地方自治体財政の悪化で、病院や保育所などの民営化や廃止が行われ、また公民館や第三セクターの施設も指定管理者制度の導入によって先行きが危ぶまれています。特にミュージアムのような住民の日々の暮らしとかけ離れたものには、住民や議会からその必要性について厳しい意見が寄せられています。先日も希望を胸に学芸員になったものの、学芸員の研究の将来を危ぶんで辞め、別の道を探している人と出会いましたが、ミュージアムをめぐる社会はかなり窮地に追い込まれているような気がしました。
昨日は久しぶりに出会った先生たちとお酒を飲みながら交流をする予定でしたが、急遽所用が入ってその輪の中に入ることができなかったことは返す返すも残念でした。塚原先生は「しずむ夕日が立ちどまるまち」という双海町のキャッチフレーズを自著のミュージアムという本で世に送り出してくれた恩人なので、もっともっと話したかったのですが、今日の先生の基調講演やその後の壇上での議論にゆだねることになりそうです。今日も朝から愛媛大学で開かれる中四国ミュージアム府ーラムに参加して、忙しい一日になりそうです。
(昔青年の船で訪ねたアメリカカリフォルニア・ヨセミテ森林公園の樹齢三千年の大木の写真)
「さあ今日も 忙しくなる 気張らねば そんな思いで 朝を迎える」
「いつの間に こんな難し 集会に 出ることなったか 未だ分らず」
「わが町の キャッチフレーズ 気に入って 全国紹介 恩人なれば」
「大学は 一生縁なき 思ってた ところがどうだ 大学染まる」