○愛媛海区漁業調整委員会委員に選任される
長年役場に勤めていたので、海区漁業調整委員という公職があることや、その委員が公職選挙法に基づいて漁業に携わる漁業者の選挙で選ばれることは知っていました。多分委員を選ぶ人も選ばれる人も漁業に携わる人だと、てっきり思っていました。
ところがこの委員には漁民委員という公選によって選ばれる人と、知事選人による学識委員4名と公益代表委員2名というのがあるそうなのです。驚いたことに何と公益代表委員の一人に私が選ばれたのです。先日県庁の担当課である水産課の職員が自宅まで見えられ、諸般の手続きを終えて8月23日付で愛媛県知事より辞令が交付されました。
若松進一殿
愛媛海区漁業調整委員会委員に任ずる
平成二十年八月二十三日
愛媛県知事 加戸守行
愛媛海区漁業調整委員会の概要によると設置は、漁業法第84条に基づいて農林水産大臣の定める海区ごとに設置されます。性格は各都道府県に設置される行政委員会(地方自治法第180条の5)です。
委員の構成は漁民委員(公選)9人、学識経験委員(知事選任)4人、公益代表委員(知事選任)2人、合計15人で構成されます。
委員の任期は知事選任の場合は平成20年8月23日から平成24年8月22日までの4年間です。
所掌事項は海区の海区内における漁業に関する事項を処理します。(漁業法第83条)。
権限はとは主な仕事でしょうが、【諮問機関】として漁業計画策定(漁業権の免許の内容)について意見を答申、漁業の免許(漁業権の免許の是非)について意見を答申、調整規則の制定、改廃等について意見を答申、定数漁業の許可枠の承継、休漁枠の復活等について意見を回答、【建議機関】として漁業計画を樹立すべき旨の知事に対する意見具申、免許後の条件及び制限の付与の申請、【決定機関】として入漁権の設定、変更、消滅の裁定、採捕の制限、魚場利用の制限等の指示の発出などがあるようです。
私が何故選ばれたかは未知ですが、その公職に適した人間として選ばれたのでしょうから、肩肘張らず15人の中の小さな1人として、粛々と役目をこなしてゆきたいものです。
私は下灘という漁村に漁家の長男として生まれました。私が育ったころの下灘漁村は長閑なもので港といえば防波堤が一本あるだけで、毎日家族総出で出漁のために船を降ろし、漁から帰ればまた船を陸揚げをしていました。漁具や漁法もまだまだで、取った魚の漁もたかがしれていたようです。それでも今思うに多少貧乏はしていましたが漁村が一番幸せな時期だったのかも知れません。やがて漁船もエンジンも、港も全て近代化され儲ける漁業へと変わって行きました。丁度その頃私は宇和島水産高校に遊学し、実習船愛媛丸に乗って大海を目指しました。親父のガン発病のため郷里に帰り7年間底引き網漁師をしました。その後病気が元で役場職員に転職して35年間の間には4年間水産を担当して下灘の魚市場や上灘の漁村センターを造り、漁業振興計画も樹立しました。またウォーターフロントとしてシーサイド公園の整備も担当し、じゃこ天などの水産特産品も開発しました。漁業の歴史を編さんする町誌編さんにも委員長として携わりました。退職後も上灘水産加工場の計画にもかかわり、漁業者以外では最も漁業に近い存在だと自負していますが、予備知識はここまでです。これから先は様々な漁業に関する勉強をしなければなりません。大任である役目を果たせるよう努力したいと思います。
「水産の 委員選任 身に余る うやうやしくも 拝受しました」
「原油高 漁業直撃 音を上げる エンジンの音 どこか寂しく」
「人生の 仕上げの時期に 大任を ネジ巻き戻し 更に頑張る」
「公益を 代表してと 理由あり 外から漁業に 意見を述べる」