shin-1さんの日記

○小薮温泉を訪ねる

 カーナビに旧肱川町辺りの山里地図を入力すると、小薮という地名と温泉マークが表示されますが、昨夕は仲間7人でこの小さな温泉を会場に懇親会を持つべく出かけて行きました。午前中は県庁水産課の武田さんが海区漁業調整委員の辞令交付に来られたし、午後は日本海に面した兵庫県香美町香住町観光協会の方々が23名、視察研修に来られ、役場で講義やシーサイド公園の現地研修案内をやっていて、かなり忙しい一日でしたが、兵庫県のお客さんが宿泊地の松山市へ向ったため、私は逆の方向へ夕暮れの道を小薮温泉めがけて走りました。

 長浜~大洲~菅田~肱川と国道197号線の道順をたどり、肱川ダム入口の大きな赤い鳥居をくぐって曲がりくねった山道に入りました。2~3度訪ねたことのある土地ですが、それは何年も前のことなので記憶の糸をたどりながらのドライブです。

 やがて人家が見えてきて小薮(おやぶ)温泉という看板が目につきました。ひなびた旅館という表現がぴったりの旅館の前に車を止めて、駐車場の場所を聞くため玄関先に入りました。見覚えのある若い女性が中から出てきて、「若松さんお久しぶりです」というのです。そういえば大洲まちの駅で見かけたことのある顔だと思い出しました。「駐車場は50メートルほど上がった左側にございますので、そこへ止めてください」と指示されました。

 中に入って部屋へ案内されましたが、一行は既に到着していて、高知の和田さんはビール、他の人は温泉入浴と思い思いの手合いで過ごしていました。佐賀関の渡部さんも三崎の塩崎さんと一緒に到着していて、松野の芝さん、野村の藤本さん、明浜の原田さんと、それぞれ懐かしい顔々が勢揃いしていました。私も名湯の誉れ高い小薮温泉に瀬音を聞きながら浸かりましたが、山里の夕暮れ、しかも天然温泉ですから雰囲気は最高で、肌にまとわりつく温泉の湯を堪能させてもらいました。


 懇親会場となる囲炉裏の部屋に案内されましたが、囲炉裏の煙にくすんで黒光りする部屋の雰囲気もこれまた最高で、囲炉裏には自在が吊るしてあって、炭火の回りのアメノウオも食べ頃に程よく焼けて、焼き魚の香りが

漂い喉を鳴らせました。 

 この日野幹事長である芝さんの薀蓄を聞きながら何はともあれ乾杯し、懇親はスタートしました。久しぶりの出会いなので積もる話が山ほどあって、隣の席に座った大分佐賀関の渡部さん、高知の和田さんと楽しくも深い話をしました。かつてはそれぞれの市町村でまちづくりを競い、それぞれの地域の振興を図ってきたつわものだけに、舌戦も百戦錬磨で、まるで機関銃のような議論に花を咲かせました。途中女将さんも中に入り、また塩崎さんが持参したウニと渡部さんが持参した関アジ関サバに舌鼓を打ちながら夜のふけるのを忘れるほどでした。

 私も一芸とばかりハーミニカを披露し、伴奏に合わせみんなで舟木一夫や井沢八郎の歌を大きな声で歌いました。年齢が分る一時でした。

 私は明くる日の仕事の都合で10時過ぎにおいとましましたが、後ろ髪引かれる思いでした。芝さん、藤本さん、塩崎さんはそれぞれリタイアし、渡部さん、原田さんは再就職し、現職は和田さんのみ、私もセミリタイアの身と、それぞれ別の道を歩んでいますが、仲間とはいいものだとしみじみ思いました。

 「お父さん、夜遅い山道は危ないから気をつけて帰ってね」と出がけに妻から注意を受け、途中11時前に中山を通過中妻から優しい携帯電話が入りました。小薮~肱川~五十崎~内子~中山~双海と道順を辿って無事わが家に着いたのは11時過ぎでした。家に着くなり見透かしたように原田さんから電話が入り、無事の確認です。彼はあの後野村町まで足を運んだようで、彼のバイタリティには頭が下がりました。次の再会場所は高知県西土佐村とのこと、次回が待ち遠しいですね。

  「つわものも さすがに老いを 感じつつ 山里旅籠 夏の深まり」

  「山の湯に 浸かりて瀬音 しみじみと 日々の喧騒 忘れ楽しむ」

  「関アジと 関サバ持参で 海峡を 渡りて友は 伊予の人なる」

  「嬉しいね いきなり名前 玄関で 言われはにかむ 歳がいもなく」   

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