shin-1さんの日記

○レジメを送ってください

 講演の依頼があって色々な所に出かけますが、前もって「プロフィールとレジメを送って下さい」という所が意外と多いのです。私はその都度抵抗します。「レジメはありません」と答えると、「えっ、レジメもないのですか」と反論されます。また準備物はと尋ねられると「ホワイトボードで結構です」といえば、「パソコンは使わないのですか」と問い直してきます。本人がないというのですからそれでいいと思うのですが、主催する担当者はレジメもパソコンもない講演会は不安なのでしょうか、文句をいいたそうで、多分「こんな講師で大丈夫だろうか?」と不安は募るばかりなのです。

 行政が絡む講演会にレジメを出すと、皆さんは講師の話しを余り聞きません。というのも会合に出張して帰ると復命書なる報告書を提出しないと旅費の清算が出来ない仕組みになっているのです。ところがレジメを出すと、たとえその講師の話が面白くなくて居眠りしても、講師の話の概要は聞いたような顔をして復命書に「別紙のとおり」と添付すればそれでOKなのです。ですから講演に身を入れて聞こうとしないのです。レジメがないと話しを聞いてメモしないといけないため熱心に聞くという算段です。

 最近はパソコンを使いスライドショーを見せながら講演をする人が増えてきました。参加者にとっては分り易いし、講演内容が一目瞭然視覚に訴えるのですからこれくらい便利なものはないのです。しかしこれもレジメと一緒で、薄暗くしてスライドショーをやりながら話すと、冷房や暖房の効いた薄暗さは格好のお昼寝演出になるのです。スライドに集中するとついつい話が単調になって中身が薄っぺらくなることもしばしばなのです。まあどちらがいいかはその人の判断ですが、私は余程でない限りレジメもスライドも使わずに話しをしています。

 さて、私のプロフィールで一番困るのは肩書きです。まず学歴がきます。私は普通学歴を書きません。ところが最終学歴を書けというのです。学歴を書かなければいけないのであればご辞退しますと居直れば、「いえそんなことは決してありません」というのですが、学歴で人の判断は出来ないと思うのです。私はその都度学歴と学習歴は違うと訳の分らぬ言い分を吹っかけているのです。

 私の肩書きは「元教育長」や「元地域振興課長」でもないのです。それはもう過去のことで今どうなのかが問題だと思います。「人間牧場主若松進一と書いてください」といえば怪訝そうに「人間牧場って何ですか?」と、レジメ、プロフィール、学歴、役職を説明しなければ講演には呼ばれないようです。情けないったらありゃしないのです。

 さて、今晩はある街の家庭教育学級に出かけます。「レジメは?」といわれたので「ありません」と答えました。「子供たちに豊かな体験を」というタイトルで話さなければなりません。レジメめはないのですが次のことを話すと思っています。

   子どもたちは今

 ①自分の居場所が分らない子どもたち

 ②親も地域も学校も過保護の子どもたち

 ③本当の友だちがいない子どもたち

 ④夢がない子どもたち

 ⑤遊びを知らない子どもたち

 ⑥感動経験がない子どもたち

 ⑦失敗経験が少ない子どもたち

 ⑧体力・気力がない子どもたち

 ⑨ふるさと意識をもてない子どもたち

 ⑩お金持ち・物持ちの子どもたち

  「レジメ出せ パソコン使うか 聞いてくる 何にもないと 突っぱねてやる」

  「学歴は 役職何と 聞いてくる 牧場主だ 偉くもないのに」

  「学歴は そんなにないが 学習歴 書けないほどに いっぱいあるぜ」

  「さて今日は どんな話に なるのやら 行き当たりばったり 顔見て話す」


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