○ファイナンシャル・プラン
人は誰でも「こんな人生を送りたい」という夢や希望を持っていますが、それを実現できるかを資金面から考えてみるのがファイナンシャル・プランです。しかし残念なことにこのことは、個人の秘密に属する部分が多く、みんなで学習会をしようといっても、中々具体的な部分に踏み込めず、私のように長らく金融広報アドバイザーをやっていても、これといった成果が見えぬまま今日を迎えています。 「年金がどれだけ入ってくるのか」「とりあえず貯蓄はしているが低金利で目減りするような不安がある」「私や家族の家系はこのままで大丈夫か」ならまだ良いのですが、「葬式代は一体幾ら入るのだろう」とか、「死んだ後お金はどうなるのだろう」などと先々のことを考えると不安で夜も眠れないという人もかなりいるに違いありません。こうしたお金に対する不安を解消したり、夢をかなえるためにはファイナンシャル・プランの作成はどうしても避けて通れないのです。ファイナンシャル・プラントは、それぞれの家庭の夢や希望をまとめた計画表(ライフイベント表に基づいて未来の収支状況や貯蓄残高などをシュミレーションし、資金計画を立てるもの、簡単に言えば人生の設計図なのです。
最近は価値観もライフスタイルも多様になって、シングルで一生を終える人や二人だけの幸せな時間を出来るだけ長くとるといったDINKS(共稼ぎで子どもがいない家庭のこと)など様々です。実際にライフイベント表に海外旅行、マイホーム、車の購入買い替えなどの夢や希望を書き込み、実際に未来の家計をシュミレーションしてみたら、20年後の家計は赤字続きだった・・・・なんてケースもありうるのです。しかし将来の家計の赤信号を予測し、そのための対策を早めに立てておけることこそ、ファイナンシャル・プランを作る最大のメリットなのです。
わが家(夫婦・子ども二人)という家族設定でライフイベント表を作る場合、家族のイベント予算が出てきます。子どもの幼稚園入園・七五三・小学校入学・中学校入学・高校入学・大学入学・成人式・入社などいくつものハード路が待ち構えています。それらの出来事には必ず臨時出費伴います。また家族のやりたいことには車の購入買い替え・マイホームの建築・国内海外旅行・家電の買い替え・家のリフォームなど、書き込めばキリがないほど夢が広がるのですが、これも資金あっての物だねなのです。
人生の三大資金・費用とは子ども教育・住宅購入・老後の暮らしだといわれていますが、教育にしろマイホームにしろまとまった資金が必要で、借入金で対応する場合には返済というマイナス要因が絡んで家計を圧迫するのです。さらに大事なことは、定年退職という人生において最大の難関が待ち構えていることです。収入の道を断たれた後の暮しは、年金問題などの将来不安定要素もあって想像以上にプレッシャーがかかるものです。
ファイナンシャル・プランを下支えするのは何といっても健康です。心と体の健康なしのファイナンシャル・プランはあり得ないのです。私は退職して3年間が過ぎましたが、体力・知力・気力はまだまだ衰えていないつもりですが、外から見れば初老の域に近づきつつあり、世代間のコミュニケーションが難しくなったような気がしています。
若い頃、生活設計図というのを作りました。ここでいうライフイベントのことですが、私の人生はこの生活設計図で大きな価値を生み出しました。そのことを多くの人に伝えて人生を豊かなものにして欲しいと願い、金融広報アドバイザーを物好きにも三十年もやっていますが、もう少し人々のお役に立てればと頑張っているこの頃です。
「ファイナンシャル こんな横文字 知らなんだ それでも私 設計どおり」
「もう少し みんなに俺の 生き方を 伝え死にたい 縁起でもない」
「ゆとりある 老後の暮らし 夢見てた これぞゆとりと 今日も楽しく」
「ああ今日も 貯めたお金が 消えてゆく この日のために 貯めたのだから」