○讃岐路を旅する
昨日は合併して出来た香川県三豊市の保育研修会に招かれました。香川県西部に位置する観音寺が途中にあるものですから久しぶりにぶらりカメラを提げて周辺讃岐路を散策しました。長閑な初夏の観音寺周辺は昼下がりということもあって観光客もまばらでしたが、小高い山の上から銭形公園を見下ろす風景は何時見ても絶景で、改めて人間のなせる知恵と技に感心しました。この古銭を模して造った砂絵は藩侯巡視の折藩侯を慰めようと地元の人が造ったそうですが、百数十年を越えて今でも年に一回市民ボランティアによる砂ざらえで大切に原型を留めているというから大したものです。これぞ文化を重んじる日本の心だと思うのです。
(周囲300メートル余り、上下と左右の長さが微妙に違うものの、遠望では殆ど正確な円形に見える砂絵を、よくもここまで仕上げてものです)
この山を下った所の道上に値上りの松がありました。松の幹はそんなに大きくはありませんが、まるでタコが足を広げた、いやひょっとしたらタラバガニが足を広げたような格好の奇妙な姿は、凄い年月をかけて根のマサ土が風雨で流されて出来たのでしょうが枯れもせずひっそりと生きていて、訪れる人も少ないのかゴミや落ち葉が散乱していました。運良く車の中にゴミ袋を持っていたので車まで取りに下りて再び戻り、観光カリスマ百選としてみて見ぬふりも出来ないので、ひとり清掃活動をしました。遍路の姿をした若いカップルが登ってきましたが、清掃する私をまるで邪魔者ように無視して携帯カメラでキャーキャーいいながら柵の中に入って値上がり部分に登り写真を撮っていたので、「ここは入ってはいけません。木にも登らないで下さい」と厳重注意をしてやりました。遍路姿を何と心得ての巡拝なのでしょう。日本人の旅の心を知らない若い不届き者もいるものです。
折角なので、二つのお寺に参拝しました。このお寺は珍しいお寺で、山門をくぐると同じ境内に2つの札所があるのです。
石段から見上げた場所に彫刻を施し扇垂木を配した立派な鐘楼があり思わず見とれてしまいました。
また境内には二つのお寺の本堂を結ぶような場所に根元のそれは立派な大きな楠木がでんと座っていました。何の説明版も見当たりませんでしたが、これも銘木に数えられる曰く因縁のありそうな大樹とお見受けしました。八十八ヵ所参拝の途中にこの木にもめぐり会っているはずなのに、思い出せないのですから私の記憶もいい加減なもののようです。
さてすっかり道草をしてしまいましたが、研修会の会場となっている旧仁尾町文化会館を訪ねました。会場では役員さんが大勢玄関まで出迎えに出ていただいていて、関係者180人は既に着席して開会を待っておられました。使用前・使用後ではありませんが、この写真が講演会の始まる前のリラックスした会場風景です。
下の写真は1時間半話した後の写真です。参加者は講演などを聞きなれているのでしょう。反応がとてもよくってビンビン跳ね返って、最近では一番話しやすい研修会だったようです。それぞれの心にどう響いたか知る由もありませんが、まあよかったのではないでしょうか。私は再び元来た道を引き返しわが町わが家を目指してひたすら走りました。
「讃岐路も 高速道路で 近くなり 昼出て所用 夕方帰宅」
「寺参り 話す雑談 国なまり ちゅうちゅう言うは 高知弁だな」
「反応が 良くって悦入り 喋り過ぎ 時間オーバー これはしまった」
「根上がりの 松に登って 写真撮る 偽善者ぶって 注意促す」