shin-1さんの日記

○経由地が拠点地に

 どちらかというとまちづくり談義は中山間地からの要望が多いため、私の訪問する場所は田舎が多いのです。そのため大都市と言われる広島・博多・岡山・大阪などはこれまでそんな田舎への経由地的存在でしたが、つい最近は広島や博多などでの講演会が多く、多少の戸惑いを感じながらも出かけています。一昨日は中国経済連合会の開催する観光振興委員会に招かれ広島へ出かけました。四国と本州には3本も橋がかかっていますが、西に位置する松山や広島からは遠い位置にあって利用しづらく、松山~広島は高速船かフェリーを使います。高速船だと1時間15分、フェリーだと2時間半なのですが、フェリーの運賃は2時間半も乗って2900円なのに、高速船は1時間15分で6300円もするのです。ゆっくりのんびりできない所用の時は「高いなあ」と思いつつも結局時は金なりで早くて便利な高速船を使ってしまうのです。


 この頃の瀬戸内海は春の海という表現がピッタリの穏やかさで、松山と広島を結ぶ航路はとても快適な船旅でした。いつも通る見慣れた光景でも音戸の瀬戸を通って寄港地呉港付近になると、みんなの目は俄然外に向けられます。石川島造船のドックには見たこともないようなでっかい船が艤装作業をしていたり、海上自衛隊の潜水艦や艦船が停泊していたり、また呉の港には大和ミュージアムがあったりで、結構目を楽しませてくれるのです。

 今回の講演会は広島平和大通りに面した三井ガーデンホテルの5階会議室でしたが、このホテルはかなりグレードが高く私などのような庶民には縁遠い場所だと思いつつも90分のおしゃべりをしました。メンバーには瀬戸内海汽船会長さんやかつて東京ロマン亭の経営にも携わった西林洋治さんもいて、こちらもかなりグレードの高い方々でした。

 広島は行く度に大きく変貌発展を遂げています。特に宇品の港周辺の開発は著しく、道路網の整備や大型ショッピングの進出は目覚しいものがあります。タクシーで通った場所には広島に本拠地を持ついづみが専売公社跡地に大きな出品具センターを建設していました。

 講演が終わると折り返しの高速船で宇品の港を後にしましたが、僅か1時間15分の船旅を経て松山に帰ると、ここが愛媛の中心なのかと見まがうほどな規模の小ささを感じずにはいられませんでした。ビルの高さも、道幅も、車の交通量も、道行く人までもが都会と田舎と感じる落差です。でもなぜかホッとするのは私が田舎者だからではなく、四国らしい穏やかな気候風土と人情味なのでしょう。普通の人だとこの状態を見て広島は活気があっていい、松山は発展性がないなんて言葉を口にするのでしょうが、私は発展することだけがいいとは思わないのです。少し視点を変えてみるとそこには幾つもオンリーワンの良さが見えてきます。来月に入ると統一地方選挙で県会議員などが様々な訳の分らぬ議論を喧しい拡声器を通して訴えます。それは自分が当選するための言い訳で、市民の幸せなど選挙に勝ってしまえばどうでもいいことなのです。

 これまでに何回か私に選挙に出ないかと熱心に勧めてくれた人がいます。でも私にとって政治の世界は余りにもウソと建て前が多くてどうしても好きになれず、結局は今のような独立独歩な道となりました。でも悔いはなく信念を曲げなかった自分をむしろ誇りにすら思うのです。

 「旅の途中」、それは目的地までの時間をもう一人の自分と語り合う時間かもしれません。行く先の目的に思いを巡らせるし、帰りには目的の成果や失敗について反省もします。それ以上に自分のこれまでの生き方とこれからの生き方を色々考えるのです。

旅は自分探しなのかも知れません。経由地が目的地になりつつある昨今、また私の価値観が少し変わりつつあることを発見しました。

  「経由地が 目的となる この頃は 旅の想いも 少し変わりて」

  「広島と 目と鼻の先 松山は 落ち着き払い 変わりもせずに」

  「庁が省 格上げされた 呉港の 岸壁繋ぐ 艦船大きく」

  「戦争の 懐古か大和 ミュージアム ミーハーぞろぞろ 日本は平和」

[ この記事をシェアする ]