○卒業式に感激しました
自分が退職したこの歳になると子どもたちもそれぞれ成長し、もう卒業式など縁遠いのかと思っていましたが、三男で末っ子の息子が一昨年の末、いきなり「警察官になりたい」と言い出し受験、応募者多数につき無理だと思って諦めていたのに本人努力の甲斐あって採用され、昨年10月警察学校に入校しました。以来約6ヶ月間の厳しい訓練を経てやっと今日卒業式を迎えました。今日は妻と二人で親馬鹿を決め込み卒業式に出かけましたが、普段はは滅多に見られない特色ある警察学校の卒業式を見せてもらい、感涙に目頭を熱くして帰りました。
金モールの制服に制帽の出で立ちで式に臨んだ息子は、昨年の入校時とは比べ物にならないほどの成長していました。県警本部長や県公安委員長などテレビでしか見ることのない方々の前で、29人の巡査たちは実にきびきびした態度で卒業式をこなし、教官の先生たちとの別れのシーン、任地から迎えに来た車に乗ってそれぞれの任地へ赴く姿などは、県警音楽隊のBGMの効果もあって、まるで映画のワンシーンを見ているようでした。
今回の卒業生は社会人枠とでもいうべき若者たちです。ですから大学を出て直ぐに入る人たちとは違って、何がしかの社会経験を持っています。いわば回り道をした人間の集まりです。ですから大学を出立てのような同一年齢ではなく応募資格ぎりぎりの30歳の若者もいるのです。異年齢集団とでもいうべきこの集団は就職経験が加算されるので、入校時点から給料もまちまちです。でもちゃんと月給を貰って勉強や訓練をするのですからこのくらい有難いことはありません。それでも給料の中から武道で選んだ剣道の道具は買わなければならないし制服も自前だそうです。でも集団宿泊訓練なのでお金を使う暇もなく、貯金は増える一方とか聞きました。剣道をやったことのない息子はこの半年間で初段を取得し、6ヶ月間で数百キロのランニングノルマもクリアして目出度く卒業と相成りました。
兵役のないわが国では、こうした国益にかなう訓練は自衛隊や警察、消防や保安庁など一部を除けばありませんが、20代のこの時期に、こうした訓練を受け、その訓練に耐えた息子に心からなる大きな拍手を送ってやりたいものです。普通だと今日は卒業式だからゆっくりとするのでしょうが、警察手帳を胸に、拳銃、警棒、手錠を腰に任地へ赴きました。多分今頃は上司から細かい指示を受け交番でお巡りさんの仕事に着くことでしょう。頑張れ息子よ。
「警官に なりたい夢を 捨てきれず 一念発起 今日から任地」
「末っ子と ばかり思った わが息子 凛々しくなりて 輝き見える」
「警官に なった息子が ブレーキを 踏んだ錯覚 安全運転」
「開花した その日に卒業 いみじくも 咲いた頃には 次の任地で」