○これからどうする
今日の夕方食事をしていると仲間から電話がかかってきました。彼は今年の春、そう後10日で40年にも及ぶ公務員生活にピリオド打って退職だそうです。開口一番「あんたは何しよるん」でした。私が退職して忙しく振舞っていることは知ってるようでしたが、どんな仕事をしているのか詳しく知らなかったそうです。「俺は自由人、大学へ毎週一回非常勤講師で教えに行っている。地元の自治会長もしている。観光カリスマ百選に選ばれているので全国行脚で講演活動をしている」などなど近況を報告すると、「そうか、私もあんたみたいな生き方ができたらいいけど、当分は少し骨休めしたい」と言うのです。
彼は人生の訳ありで世に言うバツイチです。でもかつての連れ添いや子どもの将来への責任を果たす手立てをしっかりしており、今は一人の暮らしを慎ましやかに営んでいます。時折わが家へも訪ねて来てわが父や私とのとの交友もあります。私から見れば家族の煩わしさもないわがままな生き方は少し羨ましくも思いましたが、人生の転機を迎えるとさすがに彼も逆に私の生き方が羨ましいというのです。
電話での話しなので込み入ったことは分りませんが、「当分は骨を休める。住処を探す。再就職を探す」という彼の断片的な言葉に、少し忠告をしました。「骨を休めるのも結構だが、次に何をするのかしっかり考えておかないと再びのフライトはできない。住処は賃貸マンションをというが人生の碇を下ろす場所だからしっかりと考えろ。年金受給までまだ間があるからできるだけ早く再就職の水戸を考えろ」でした。「人のことだ。放っとけ」と言われそうでしたが、彼から夜10時ころ再び電話がかかってきて、「近々暇は取れないか。会って相談したいことがる」とのことでした。
ふと気がつくと私たちの周りには働き蜂だった退職若しくは退職間近の人がたくさんいる事に気がつきます。その人たちの殆どは再就職をする人、家業である農業などをやる人、当分の間休む人、何もしない人、地域のお手伝いをする人、趣味の世界へ進む人などに分類されますが、さて人それぞれどれが正しいという結論もありません。ただ何もしない人だけにはなって欲しくないものです。
彼のように退職を後10日に迫ってもなお自分の人生のいき方を考えていない人は正直言って危ないです。何が危ないかは定かではありませんがニコニコ・ピンピンと生きがいを持って健康的に生きるには、どう生きようとしているのかが大切なのです。団塊の世代といわれる年金暮らしの若年寄りが世の中に蔓延するこれからの社会は、この人たちの社会参加こそ地域の活力の原動力になることを、団塊世代自身も、勿論社会も考えてゆかねばならない大きな社会問題といえましょう。
「十日すりゃ 退職言うのに わし何処へ 行くのか分らず 困ったお人だ」
「若い頃 気ままなツケが 今頃に なって気がつく これから寂し」
「団塊の 世代世の中 なだれ込む 年金生活 国も破綻だ」
「働かず 国から年金 頂いて こんな世の中 まるで天国」