○人間牧場研修第1号
今日は朝から雨模様で、過疎を逆手に取る会の和田さんが6月に人間牧場で開催予定の会場下見を兼ねて、宿泊先の内子町から早朝にやってきました。啓蟄というだけあって何となく春めいて海は春特有のやまぜの風が少し吹いていましたが、海も穏やかで閏住の菜の花は早くも満開を迎えています。
先日沖縄に出張中に下灘中学校の谷岡先生から電話が入り「ふるさとと夢」について、人間牧場で子供たちに話をして欲しいと依頼がありました。「今は沖縄なので」と電話に出ると驚いた様子でしたが、3月6日の10時30分からということで日程を入れました。今日はその日なので広島の和田さんに少し早めに来てもらい中学生を迎える準備をしました。準備といっても電気をつけるくらいなのですが、松尾校長先生、教務主任の武智先生、担任の谷岡先生の3人に引率されて11人の中学生が研修にやって来ました。
本降りの雨の中生徒たちは板間に座り私の話を聞く事になったのですが、人間牧場へは見学者も結構多いのですが、研修と名のつくものは始めてで、さしずめ今日は人間牧場の研修第1号を受け入れた記念する日となりました。
下灘中学校は私の母校ですが50人そこそこの小さな学校です。でも子どもたちはバレーや剣道では小さなハンディをものともせず、大きな成果を上げていますし成績も態度も立派で、いい教育環境といい先生に恵まれていることを誇りに思っている学校です。
私が少し話した後それぞれが私に質問するのですがなかなかどうして、みんな素晴らしい質問をしてくれました。特に人間牧場への関心が高く何故ここに人間牧場を作ることを決意したのか、また人間牧場を作るのに困ったことは何かなど、いい掛け合いだったと思います。
私はこの人間牧場を『心の港」と表現しました。眼下に見える豊田漁港は船の港、この人間牧場は人間の港になるべきだと思っています。また先日魚梁瀬杉の根株を高知県の坂本さんから貰い、親父がテーブルに仕上げてくれた杉を見て『百年の木」の話もしました。人間はこの年輪のように年齢を重ね概ね100歳まで生きるのだから、目標を持って生きなさいとも話しました。
生徒たちの心に私の発した言葉はどんなメッセージとして受け止められたでしょう。僅か1時間余りの短い時間でしたが50歳近くも歳の離れた生徒たちに、私の話を分らせようとすること自体無理な話だと思います。でも全員が手を上げて自主的に、主体的に発言したのですからこれはもう立派と言う他ありません。今度は友だちと一緒に、晴れた日や満点に星空が見える頃に来て欲しいと願っています。
「先生も粋な教育するもんだわざわざ牧場連れてきて聞く」
「年輪を数えて驚く魚梁瀬杉俺の十倍生きてるなんて」
「この牧場心の港と考える疲れ病んだらいつでもおいで」
「木を叩く音がこだまし春誘う今日は啓蟄虫も目覚める」