○おからも美味い
私は大の豆腐好きです。先日ある中学生と昼食をご一緒する機械がありました。食卓に湯豆腐が出てて、豆腐談義になりました。私が「豆腐には目がないんですよ」というと、その中学生は不思議そうに私の顔を見つめ、「おじちゃん。豆腐は生き物ではないんだから目がないのは当たり前でしょう」と真面目な顔をして言うのです。私は思わずずっこけてしまいましたが、同席した父親が慌てて、「お前なあ、おじちゃんが豆腐に目がないというのは、豆腐が大好物だということなんだよ」と説明したのです。「なーんだそうか。ぼくはてっきり、この豆腐は本当に目がないのか思って・・・・・・」でした。
こんな話はどこにでもあります。余談ですが若い女性と食事をしていて鯛の刺身が出てきました。私が「これ養殖じゃろうか」と同席したみんなに聞いたところ、若い女性が真顔で「若松さんこれは洋食ではなく和食でしょうが」というのです。私はとっさに「あのですね。私が聞いたのはこの刺身の原料である魚が天然魚か養殖魚か聞いたのですが」と話しましたら、若い女性は顔を赤らめ「すみません」と小声で詫びました。そういえば今の若者に天然の魚か養殖の魚かいったって分るわけないかと、自分の何気ない質問を悔いました。
左様に今の若者と私たち大人の感覚は微妙にずれて、コミュニケーションが伝わらなくなりつつあり、「ああ私もそんなに古い人間になったのか」と少しため息が出る今日この頃なのです。
昨日妻がおから料理を作りました。「お父さん、このおからなんぼ(金額)だと思う」。おからがかなり安いということは知っていましたので「ウーン百円」と答えてしまいました。妻は何かを買って帰った時、自分で安い買い物をしたと思うと私にこんな質問をして得意げになる癖があります。私の答えを聞いて「ブーブー」とはずれのブーイング、「このおから40円」だそうです。えっ、こんなに鍋いっぱいのおからが40円とは安いと思いました。おからにはニンジンやシイタケ、練り物などが細かく刻んで入った具沢山でとても美味しいのです。おからは豆腐を作った後の絞りかすなので、栄養価は豆腐には及びませんが、私たちが買わなかったらこのおからは廃棄物になることでしょう。詳しいことは分りませんが多分おからは食物繊維が沢山あるので胃腸にはいいはずだと自分に言い聞かせて、ご飯を少なくして余分に食べてしまいました。
子どもの頃はこんなもの喰えるかと思って、おからが食卓に出ると憂鬱母を随分困らせたものでした。やはり食べ物の嗜好が変わったのも歳のせいでしょうか。先日東京都大島町の女性の町会議員さんが視察の手土産に持ってこられたクサヤの干物を焼いて食卓に並べているのを見て次男が、「お母さんこの干物腐っとる」と言うのです。「これはこんな匂いが高級品なの。黙って食べなさい」と叱りました。貰った人への配慮でしょうが次男は「僕は食べない」というのです。お蔭様で美味しいクサヤの干物が私に回って美味しくいただきました。大島の高橋議員さん有難うございました。
「この干物腐っていると息子言うクサヤも知らぬ教えてないから」
「おから食うこれがたったの40円聞いて驚く夜の食卓」
「豆腐には目がない話返されてこれは落語と一瞬思えり」
「書いた文字変換ミスで変な意味これは使える笑いのネタに」