shin-1さんの日記

○高知県はまだ遠い

 先日群馬へ行った折、群馬の方から「四国へは行ったことがないので分りませんが」と前置きされて、「愛媛県の位置や特徴を教えてください」と言われて愕然としました。それもそのはず、私たちが逆に「群馬県へは行ったことがないので分りませんが」と前置きされて「群馬県は関東のどの辺りの位置で特徴を教えてください」と言っているようなものです。私のように旅慣れているものでも、群馬県の位置を正確には伝えられないし、群馬県といえば「かかあ殿下と空っ風」や、草津温泉くらいしか思いつかないのです。

 逆に「あなたは愛媛で連想するのは何ですか」と逆に質問すると「みかんと道後温泉」くらいしかとっさには浮かばないのです。県外の人が左様な程度ですから愛媛県の位置など高知県とダブったりするんは当然なことでしょう。

 一昨日高知県須崎市の生涯学習フォーラムに招かれて出かけました。須崎市へは高速道路を走るとまるで逆方向へ行くようにいったん香川県境の川之江ジャンクションまで走り、南国・高知を過ぎて須崎インターで降りると2時間半くらいで到着するのです。私が選んだコースは一般国道197号でした。双海町を出発し長浜経由で大洲に出ます。大洲から197号に入るとあとは一本道で、日吉・梼原・葉山を経て須崎へと入ってゆきます。車のメーターをゼロにしてスタートしましたが150キロ足らずで約2時間半かかりました。つまるところ高速道路でも一般道路でも同じ時間で到着するのです。現代はスピードが求められるため殆どの人が高速道路を使います。県庁所在地の高知市へ行くのには高速を通ると2時間、国道33号を通ると3時間ですから普通は早いほうを選ぶでしょうが、須崎へはわざわざ高い高速道路の料金を払うこともないので、いつもその道を撰んで走ります。途中には最後の清流といわれる四万十川の流れや沿線市町村の長閑な佇まいが見えるので、いい旅気分を味わえます。

 それにしても四国も広いですね。私の町からだと高知県足摺岬だと4時間、室戸岬は高速道路を使っても4時間はかかります。それでも山や谷や峠を縫うように曲がりくねった道を走ったその果てに見る太平洋の広さは何といっても高知の魅力です。おおらかな高知人の気質も坂本龍馬のファンの一人としては大好きです。昨日の集会に吉本さんという若くて素敵な女性の方が講演を聞きに来ていました。バレンタインチョコをいただきましたが、彼女は昨年私の町へ視察研修に来た折知り合いました。手紙や写真のやり取りの中にもしっかりとした主張が感じられました。わたしには吉本さんのように行く先々で知り合いがいて、その人たちと交流するだけで心が和み、旅の疲れなどどこかに吹っ飛びます。人生も旅もまさに出会いの連続なのです。

 須崎市は合併をしない生き残りを選択しました。公務多端の折にもかかわらず、講演先までわざわざ私を訪ねてこられ、硬い握手をした須崎市長さんの手の温もりが今でもこの手に残っているようです。土居課長が自らに課した「今晩の集会は100人集める」公約は殆ど100パーセント達成されていました。その意気込みが生涯学習にとって今一番必要なパワーなのかも知れません。

  心温められて、須崎からカーナビの画面に写る150キロの元の道をただひたすら一人で走り、12時前にわが家へ帰って来ました。「ただいま」。「お帰りなさい」と妻の元気な言葉が出迎えてくれました。

  「四国だといえど行くのに3時間ゆっくりのんびり旅を楽しむ」

  「悠久の時を流れる四万十を横目見ながら目指す海原」

  「この道はいつか来た道思いつつ一人分け入る峠の小道」

  「あちこちの峠越えればまた一つ美味い物ありそれも楽しみ」

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