shin-1さんの日記

○留守電の行方

 「もしもし、Yさんのお宅ですか。私は愛媛県の若松と申しますが、お父さんはいますか。」「お父さんは外出していません。」「じゃあお母さんはいますか」「お母さんも外出しておりません。」「お母さんは何時ごろ帰られますか。」「分りません」「済みませんが、お父さんの友だちなんですがお父さんの携帯番号を教えてくれませんか。」「分りません。」「分りました。もしお父さんかお母さんが帰ったら、愛媛県の若松さんから電話があったことを伝えて置いてください。」「はい分りました」「ありがとうさようなら」

 講演先での出来事でした。夜9時ごろに到着する予定が、何故か乗り継ぎが上手くいって7時に着いてしまったのす。私はまず市役所へ電話をしました。あいにく市役所の課名を書いたメモを忘れていたため、Y係長の名前しか伝えられなかったのですが、市役所はこの時間になると宿直が警備会社に変わり、「私には分らない」の一点張りでした。困った挙句にYさん宅への電話と相成った訳です。

 私は公衆電話ボックスの電話帳でYさんの自宅の電話番号を調べ電話しました。Yさん宅の受話器を取ったのはYさんの息子さんで中学生のようでした。見ず知らずの人から電話がかかった場合、この中学生の電話対応は「余分なことは教えない」という完璧なものでした。そしてもっと素晴らしかったのはこの息子さんが市役所に勤めるお父さんに携帯電話をかけて、私のことを話したことです。「お父さんの電話番号は分りません」といいながら、ちゃんとお父さんに連絡を取ってくれたのです。受話器を置くなり私の携帯が鳴り、私は寒い冬の風に当ることもなく出迎えの車で宿舎へ送ってもらったのです。

 それにしても人のことは言えませんが、講演を依頼された相手の課の名前を思い出せないのですからいい加減な男です。パソコンメールをペーパー印字したつもりが、氏名だけしか載っていなかったものですから、大変失礼なハプニング劇でした。

 しかし、それにしてもです。私の醜態を棚に上げての発言なのでお許し下さい。市役所の対応は少し考える必要があるだろうと思います。私の町の役場も合併するまでは私たち職員が交代で宿直していましたが、今は当直警備員が常駐するようになりました。それはそれとして良いのですが、午後7時頃になると宿直に引き継がれ、役所に電話してもさっぱり要領が分らず市役所に残って仕事をしているはずなのに連絡が取れないのです。もしこれが緊急だったらと思うとゾッとします。私も愛媛県の遠い所から来たことを告げて話しましたが、残念ながら対応はしてもらえませんでした。

 宿直はお金を頂いてやっているのに連絡が取れず、中学生ながらYさんの息子さんは立派に仕事をされました。市役所さん、中学生の息子さんに対応の仕方を教わってください。

  「留守電で日ごろの暮らしが見えました息子の対応褒めておいてね」

  「市役所はマニュアルどおりの仕事すりゃ落ち度あっても責めは負わせず」

  「恥ずかしや私の行くとこ何処でしょうボケる歳でもないのに忘れ」

  「出口待つ言われてはてな北南どっちだったかまるで反対」

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