shin-1さんの日記

○注射が大嫌いな男

 私は何が嫌いか言われたら即座に「注射」というくらい注射が大の苦手です。「エー、嘘ー、その顔で」なんていわれそうですが、本当なんです。子どもの頃「明日はツベルクリン反応の注射がありますから」と先生が言おうものなら、腹が痛いと嘘をついて学校を休んだことが何度かありました。ですから今も病院で血液検査のために採血するのは大の苦手だし、インフルエンザの予防注射などもしたことがありません。ですから風邪をひかないのかも知れませんが・・・・・。

 私たちが子どもの頃は注射といえば針や注射器を煮沸して何度でも使っていましたので余計痛かったのかも知れませんが、つい最近痛くない注射針が開発されたそうです。そのことを知ったのは、飛行機の中の座席ポケットに置かれた持ち帰り自由な「翼の王国」という雑誌の小林泰彦さんの書かれた文書でした。

 昔の注射針はパイプのような細い管を使っていたので小さくするのには限界があったようですが、東京東向島で町工場を経営する岡野雅行さんという方が、金属板を丸めて作ろうと思い立ち穴の小さい注射針を作ったのだそうです。これは世界でも始めてだそうで画期的だというのです。

 日本の企業も戦後はこんな町工場からスタートしました。そして創業者と社員の努力によって次第に大きくなり、世界に冠たる日本の企業を作ってきたのです。岡野さんの会社は資本金1千万円、従業員6人の小さな会社だと聞いて私はびっくりしました。親の代から続いた金型のこんな小さな会社でもやり方によっては大きな仕事が出来るのだということを・・・・。

 「俺はいつも言うんだ。ほかで出来ないことをやりゃあ、どんな時代でもちゃんとやっていけるんだって」という懐かしい東京原人の言葉で話す岡野さんの言葉には重みがありました。

 もし私が子どもの頃にこんな注射針が開発されていたら、私は注射嫌いの少年にはなっていなかっただろうと思ったりします。そういえば、前回の定期健康診断の時採血しましたが、痛みもなくあっという間に終わったのは岡野式?注射針を使ったのかも知れないと、今後病院へ行く時に憂鬱にならないで済むかもと思ったりしました。日本の町工場もどっこい生きているんですね。日本人の知恵の深さを思い知らされました。

  「明日注射すると言われて腹痛い仮病見つかり結局明くる日」

  「注射して泣かぬ偉いぞ孫褒めるだのに私は未だに嫌い」

  「俺にしか出来ないことは何だろうそれが見つかりゃ鬼に金棒」

  「蜂が刺す程のか細い注射針下町工場で作っているとは」

[ この記事をシェアする ]