○インターネットでオークション
私などのように古いタイプの人間は、物を見て確かめないと物は買わないしお金も払いません。ところがわが息子世代は少し変わった買い物だと殆どをインターネットのオークションで様々なデーターを引き出して買うのです。年末には人間牧場水平線の家の重要な備品であるストーブを注文して買いましたし、煙突までも別のメーカーに依頼して送られてきました。「お父さん、どのストーブの型がいいか、このカタログで検討して」と名だたるストーブの情報を印字して持って来ました。見ましたが結局は「お前に任せる」でお金を振り込み送られてきたのです。結果的には気に入ったものが気に入った値段で買えてホッとしましたが、「もしカタログと違った商品であったり、粗悪品であったりしたらどうするのだろう」と考えると、品物を買う勇気を逸してしまうようです。
二日前にも今度は、念願の五右衛門風呂をインターネットで購入しました。風呂を買うという決断には、私としては少し高価な買い物だけに後ろ足を踏みましたが、当の息子はクールなもので代金を妻から貰って振り込み確認後送られてきました。見た目には中々立派なもので早速大工さんと相談して大工さんのトラックで水平線の家へと運ばれて行きました。
この様子を見て時代は変わったと思ったのは私一人ではありません。妻などは財布の番人ですからテレビで紹介されるトラブルを頭に思い浮かべて「だまされる」と、私以上の警戒ぶりでした。
それでも最近ではインターネットのオークショントラブルが後を絶たず、政府も頻繁に流通している販売納入者は個人とみなさず、住所氏名を表示する義務付けを近く制度化するそうです。
インターネットという顔が見えない情報商売には、物を買う人にも物を売る人にも必ず大きな不安付きまといます。商売はお互いの信頼の上で成立するのですが、振り込め詐欺が横行する世の中です。信じようとしても世の中はいい人ばかりではありません。しかし息子などはそのことを覚悟した上で様々なデーター情報の中から物を買う術を身に付けているのです。私の場合は私に代わって息子がインターネットの窓口になっているからいいようなものの、中々一般の人には理解できない世界だと思うのです。便利な世の中、悪の潜む世の中、どちらを信じたらよいやら・・・・・・。
「ストーブも煙突さえもパソコンで買える便利を私は知らず」
「だます人だまされる人それぞれにお互い知恵を出しつ出されつ」
「もし俺に値段をつけたらなんぼかな期限切れして値段もつかずに」
「もう古い私のような人間は言いつつ息子と知恵の勝負を」