shin-1さんの日記

○市町村合併とまちづくり

 昨日は合併して一年程の広島県江田島市、今日は後50日足らずで合併して新岩国市となる山口県美川町へ出掛けました。合併したまちとこれから合併しようとするまちそれぞれに、色々な悩みがあるもんだと皆さんの話を聞いて実感しました。

 今日は山口県美川町という鏡川流域に位置する人口2千人足らずのまちづくりのお手伝いをするため訪ねました。この町へは合併を契機として自治会組織やまちづくり推進協議会を立ち上げるため既に2回も私の講演会が開かれ、今日は3回目、来月4回目はわが町の視察研修を経て目出度くまちづくり推進協議会設立の運びとなる予定です。一つの町にこんなに度々行くことは余りありませんが、行けば行くほど中山間地域の悩みの深さが感じられて、身をつまされる思いがするようです。愛媛県のある首長さんが「合併するも地獄、しないも地獄」と言った言葉はそっくりこの町にも当てはまるようです。

 この2年この町では相次ぐ台風災害や大雨の被害に翻弄されてきました。今でも国道の側の木々には「あの高さまで水かさが増したんですよ」と指を指すほど高い位置にナイロン類が引っかかり、水害の大きさを物語っていました。主産業である林業はとうの昔に衰退し過疎や高齢化、少子化の波は否応なしに押し寄せ、高齢化率が50パーセントを越えた限界集落が幾つもあり、ライフラインを自助努力で賄えなくなりつつあるようです。

 こんな数多くの悩みを持った町が、対等合併とは言いながら吸収に等しい合併をしても、行政サービス化遠のき、負担は大きな街の平等理論に合わされる近い将来を思えば、国や県の財政運営の付けを何故と憤りを覚えずにはいられないのです。

 あと50日すると私たちの町が辿った軌跡そのままに、合併というシナリオに沿った運命が待ち受けていますが、この町がこの2年間をかけて勉強し、自治会を作りまちづくり推進協議会を作って、自分たちの町は自分たちで守ろうと始めた行動は賞賛に値すると思うのです。

 今日の集会での私の話は残念ながら明るい話ではなく、合併した町に住んでいる一人の市民が感じている矛盾や出来事の告白と、これからどう生きたらいいのかというヒントの話だったように思います。人間は未知なる未来に不安を持つものです。夢を持たないと生きてゆく勇気も生まれません。合併して生まれるであろう新しいまちの首長や議員さんにお願いします。彼らに夢を・・・・・・。そして役場に勤める皆さん質の高い行政サービスをお願いします。

  「合併を終わった町の私が夢を語らず誰が語るか」

  「秒読みの指折り数え終わり待つ長き旅路の幕を引く人」

  「高速と新幹線の下を越え何故か不便な山里目指す」

  「その昔ガニ目と称したワサビ漬け食って酒飲み夢を語りし」

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