shin-1さんの日記

○タオルを着こなす若者たち

 わが家の脱衣場には何本ものタオルが洗濯され定位置に置かれています。タオルの収納でその人の清潔感が分かるといわれるほど、主婦にとってタオルは洗濯の対象物として大きな位置を占めているのです。毎日家族が使うタオルは半端ではありません。救いなのはアイロンを当てないで済むくらいです。

 朝顔を洗って顔と手を拭く、トイレから出ると手を洗って拭く、水仕事をして手を拭く、ふろに入ると身体を洗う専用のタオルで洗い、出ると大きなバスタオルで体全体の汗や水気を拭き取るなどなどタオルは私たちの生活になくては鳴らない存在なのです。そのためでしょうか、盆や正月には買い物をする馴染みの店はささやかな感謝の気持ちを込めて、自分の店の名前を刷り込んだタオルを粗品として出して喜ばれています。ある主婦はこんな時代遅れの粗品に『何だタオルか」といいたげに、拒否をするといいますから世の中分からないものです。妻に言わせればタオルは何本貰っても重宝で、洗い晒しで古くなればお下がりして雑巾にもなるし、おすそ分けのお礼にしても喜ばれるしと言っています。粗品拒否の主婦と私の妻、どちらも女性なのですが私は妻の方の意見に分があるように思うのです。

 最近タオルが見直されてきました。若者たちが何か作業をするとき器用に頭に巻いて帽子の代わりをしています。ある意味で格好よいので私も昨年の夏人間牧場の作業で見よう見まねやってみました。若者のような格好よさはないと思いましたが、これが案外涼しく頭にフィットしました。今年の夏は絶対あの格好をしてやろうと心に決めています。

 今年の冬は人間牧場にもうっすら雪が積もり寒かったのですが、畑仕事ではもっぱらタオルを首に巻いて仕事をします。首筋が温かいし草や土の侵入を防ぐだけでなく汗だって拭けます。昔の人はタオルを腰に吊るして作業をしていましたし、鉢巻や冬の頬被りは田舎のおじさんの代名詞のようでした。

 今やタオルはファッションです。様々なデザインのカラフルなタオルが登場しています。近くに今治という全国有数の産地があるからタオルは否応なしに暮らしの中に溶け込んでおりますが、このタオル業界も景気のよいころ賃金の安い東南アジアに進出して、今は逆にその東南アジアが競争相手になるというかつての日本とアメリカのような関係になり、業界全体の大きな問題となっているようです。

 私には黄色いお気に入りのマイタオルがあって、何かにつけてこのタオルを使います。自分の身体にフィットする何かを持っています。イベントの時は必ずこのタオルを首に巻く習慣が身についています。そのタオルも『お父さんもうそのタオル止めたら」と妻に言われますが、くたびれたタオルの行く末は雑巾か車洗いしかありません。もう少し働いてください。黄色いタオルさんご苦労様。

  「ひいふうみい干したタオルを数えると何と多いか洗濯干し場」

  「風呂上り妻の差し出すバスタオルふかふか拭い体休まる」

  「お気に入りタオル首巻きよし行くぞ野良の仕事の気構えだけは」

  「車拭くタオル見覚えあの店でガソリン入れて貰いし一枚」

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