○消防団の法被
今日は消防団の出初式だそうです。早朝7時有線放送のサイレンが防火の意味を込めて鳴り響き、出初式を告げました。合併した今年は消防団にも変化が起こり、団員の法被がこれまで慣れ親しんだ双海町から伊予市に様変わりしました。今朝散歩をしていると伊予市と大書した法被を着た人たちがあちらこちらを歩いている姿を見て、何か違和感を覚えたのは私一人ではないのではないかと思います。大雨や災害の度に双海町の法被がわが町の人命や財産を必死になって守ってくれました。特にわが家の裏山は地盤が弱く、何度も災害に見舞われましたが、双海町の法被は大活躍でした。ここにも合併で消えたもの、新しく生まれたものがあるようです。
消防団は日本が世界に誇るコミュニティボランティアです。近年は地域の高齢化によって、またボランティア精神やコミュニティ社会の崩壊によって消防団も存続の危機に直面しているようですが、防火防災が大きなテーマの現代にあって、消防団は何としても残し伝えておきたい組織だと思われます。私たちは消防団にのみおんぶにだっこするのではなく、自治会なども積極的に安心安全面での自主防災組織を作るなどして、自らの地域は自らの力で守ってゆかねばなりません。
私もかつては消防団員として在籍し、役場に入ってからは役場消防班員として、消防活動に加わりました。これからはその経験を生かし自治会長として及ばずながらお手伝いしたいものです。
私の家に、今では文化財のようになってしまった一台の手押しポンプが保存されています。廃品回収の憂き目に会った手動のポンプです。今は自動化されたポンプになりましたが、かつてはこのポンプも最新の道具として、高い金を払って購入したに違いありません。骨董を趣味としている親父が譲り受けて磨いたものですが、さすがに年代物で防火思想の普及にはうってつけ、見学にこられた方々も珍しそうに触っています。
双海町から伊予市に変わった法被、手押しポンプから消防自動車に変わった消火道具、時代は変わっても消防の重要性は今も昔も変わってはいません。
「父磨く手押しポンプの古めかし豊かな社会見向きもされず」
「出初式興味あるのは後宴会綺麗どころをはべらせ飲んで」
「新しき法被凛々しい消防団長靴ネクタイ合わぬ思うが」
「寝たきりの叔父も昔は団長で胸に功績バッチ付けてた」