○面白い孫の話
年末を帰省先(娘婿の実家)で過ごした孫が帰るので、飛行場まで妻と二人で出迎えに行きました。娘婿は大学の先生なのでもう少しゆっくりするらしく、親一人子一人の親孝行なのでしょう。
年末に娘婿の実家に電話して孫の声を聞きましたが、面白い話を耳にしました。電話口に出た孫は私に「どこのじいちゃん」と唐突に聞くのです。「えっ」と思ったのですが、後の説明で謎が解けました。実家の祖父、つまり孫のおじいちゃんは亡くなっていますので、おばあちゃんがいるのにおじいちゃんがいないことを不思議に思っておばあちゃんに質問したそうです。
「おばあちゃん。おじいちゃんは何処にいるの」との質問に、おばあちゃんは「おじいちゃんはお空の上にいったの」と説明したそうです。すると孫は「おじいちゃんはお空からいつ帰るの」、おばあちゃんは「もう帰らない」、孫「それは寂しいことでしょう」、おばあちゃん「・・・・・・・・・・」。
子どもは「何故何故」で知恵がつくといいますが、「それは寂しいことでしょう」とは、いやはや参りましたとおばあちゃんの言葉でした。しかし僅か3歳の子どもが「それは寂しいことでしょう」なんて言葉を言うのですから、驚き以外の何ものでもありません。子どもの成長はまるで雨後のタケノコです。一週間逢わないと驚くような言葉や仕草をします。それに比べ我が家のおやじは88歳の高齢ゆえのことでしょうが、古くなった電球のように少しずつ暗くなるような毎日です。仕方がないことかもしれませんが孫の成長と親父の老化は人間の一生の変化を見ているようです。
「おじいちゃん寂しかった?」と飛行場まで出迎えた私に質問、「うん朋君がいないとさびしかったよ」、孫「朋樹も寂しかった」、孫の言葉は見え透いたお世辞でなく心からなる本心でしょうが、うれしいものです。「朋君誰と寝る」、孫「おじいちゃん」・・・・・・。
今日は母親が病院勤めの日なので孫はわが家預かりです。ストーブの前で遊んでもらいます。
「じいちゃんは何処に行ったの孫が聞くお空言ったら帰りはいつと」
「孫伸びる雨後のタケノコそっくりに今日も驚き新らし発見」
「孫伸びて爺が縮む家の内俺は真ん中伸び縮みせず」
「孫去りし実家寂しく飯を食う孫来た家はまるで蜂の巣」