○みかんが安い
昔わが家でみかんを作っていた頃は、収穫の季節を迎えると憂鬱な感じがしていました。当時わが家のみかん畑は車が入らず、重いみかんをそりに積んで道まで出していました。体力に物を言わせて20キロのキャリーを16箱も積んで引っ張ったことを思い出します。日曜や半ドンの土曜日になると母と一緒に山へ登って汗をかいたものでした。
みかんを作らなくなってもう10年以上になります。今では近所の農家からおすそ分けのみかんが届き、美味しいところだけ味わい申し訳なく思っています。
しかし今年は天気に恵まれ美味しいはずのみかんがどうしたことか安いようで、値崩れを立て直すため出荷調整するとのニュースが流れていました。出荷調整されたみかんは加工用に回され缶詰や真面目な愛媛のポンジュースに生まれ変わるのですが、加工用は値段が安く豊作貧乏とはこのことです。油や諸経費が上がるのに、成果物は下がるのではやりきれない思いでしょう。お百姓さんからは「もう百姓じゃあ飯が喰えん」という悲鳴が聞こえてきます。
みかんはその土地の条件によって味が違いますが、先日友人から貰ったみかんはどれを食べてもほっぺたが落ちそうなくらい甘いものでした。丁度長野県から議員さんが視察に訪れていたので差し上げたところ、その議員さんも「こんなみかん食べたことない」と喜んでいただきました。こんな美味しいみかんが安いなんて信じ難い気がします。ビタミンCと持てはやされ、コタツに入って手が黄色くなるまで食べたのは、もう昔話となってしまいました。でもみかんはやっぱり食べ易い果物で美味しいです。今年も農家から分けてもらったみかんがわが家から、50箱くらいは国内のあちこちへ宅配便で届けられます。農家自慢のみかんをどうかご賞味ください。
「このみかんひとつひとつを手で千切り手間暇かけてドッコイショ」
「歌ったよみかんの花が咲いている思い出の道草に埋もれて」
「聞きました双子みかんを食べたなら双子出来るとあれは迷信」
「モズ突付くみかんは必ず上手いやつ鳥はどうして知っているやら」