shin-1さんの日記

○仮想社会人間との対話

 役所の仕事を辞め、自宅の書斎机にパソコンを置き、インターネットを始めて7ヶ月が経ちました。おっかなびっくり、時には息子の助けを求めながら独学で始めたのですが、息子の「お父さんパソコンは触って失敗しないと覚えない」という言葉に励まされ、まだまだ未熟ですがメールのやり取りとブログ発信までこぎつけました。私のようにセミ・リタイアした人間にとってインターネットは、仕事の打ち合わせとでもいうべき営業活動にも利用するので、今や必需品となりました。最初は「Eメールで資料を送ります。アドレスを教えてください」と電話で言われ、FAXや住所と間違ったり、今考えると笑い話のようなハプニングを経験しました。

 しかしふと気がつくと、私とメールをやり取りする人の顔を、知っている人が少ないことに気づくのです。ましてや画面で見る電子文字でのやり取りですから、電話のような声さえも聞けず、まさに仮想社会の人間と言わざるを得ません。「この人はどんな顔をしているのだろう」などと思い巡らせるのも楽しい反面、顔の見えない怖さも感じるのです。顔が見える安心感と顔の見えない恐怖感を比べて、心に自制心を働かせる間は良いのですが、人間は何故か人が見ていないと、とんでもないことをやらかします。陰徳を積まない愚か者にインターネットという道具を持たせることは、百害あって一利なしかも知れないと思ったりもします。

 しかし世の中は変わりました。重さも大きさもないこれらの電子情報が金になり、情報産業で巨万の富を築いた人たちが、その富を武器に「金で解決できないものはない」といって、政界、経済界、スポーツ界まで進出し、社会のルールを無視して暴れまくっているのです。勿論閉鎖社会の弊害を打破する大きな力になっていることは誰しも認めるのですが、毎日の報道を見ていると少しやり過ぎの感は否めません。

 顔の見えない人からメールで講師依頼があります。日程の空きを確認し受諾すると「あなたのプロフィールを送ってください」といわれるままに添付します。やがて講演に行く二ヶ月余りの空白期間に何度かメールが届き演題、用意するもの、レジメ原稿、交通アクセスなどを打ち合わせますが、心温まる人は私の人間性にふれようと、楽しいメールを届けてくれます。バーチャル世界は自分の都合のよい人物像を描きますから、現地へ行ってその落差に落胆するのはお互い様かも知れません。

 仮想人間は私につかの間のワクワク・ドキドキ・ハラハラという夢を見させてくれます。昔火星に生き物がいるかも知れないことを漫画で読みました。空想しました。火星社会ならぬ仮想社会の、火星人ならぬ仮想人を今私は空想しながらキーボードを叩いています。

 「このメール読む人小百合に似てる人思い巡らせ風の便りを」

 「あっしもた恋という字が変になり変換ミスで興ざめの恋」

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