○愛媛県内で一番古い現役木造校舎の学校
今日、高知県須崎市周辺の広域市町村から、10人の若者が私の元へ視察研修にやって来ました。嬉しいことに過日須崎市のまちづくり講演会に招かれた折、私の話しを聞いた人が連れて来たのです。彼らは終始真面目で、熱心にメモを取りながら私の話に耳を傾けてくれました。1時半から5時過ぎの日没まで3時間半に及ぶ研修で彼らが私から何を学んだか定かではありませんが、特に人間牧場構想に興味を持ち、次に来るときは必ず人間牧場へ案内して欲しいと念を押して夕闇の中を帰って行きました。
今日の研修は私の話とシーサイド公園の見学、わが煙会所の見学、それに翠小学校の見学をセットにしました。特に翠小学校は乗ってきたバスの回転を目的に奥まで足を伸ばしての突発的な見学でしたが、若者たちは愛媛県内の現役木造校舎で一番古い築75年の翠小学校を興味深そうに見学していました。子どもたちが下校した後の学校は静まりかえり、先生たちが僻地教育の研究をしている最中だったので、息を殺しながらの見学となりました。でも懐かしさのあまりに涙が出るという若者もいました。
私は学校がこうも懐かしいものなのかと、彼らの行動をじっと見詰めながら色々考えさせられました。木のぬくもり、長い廊下や長い天井、腰板の破れの補修の跡、階段に書かれた数字、校長室からの眺望、二宮金次郎の銅像、吹きぬける風、全てが時代をタイムスリップしたようなセピア色だと彼らは語りました。勿論金次郎さんの前で記念写真も撮りました。今この学校は40人を割った児童数の減少で将来を危ぶまれています。でも教育長だった私は多くの人と、この学校の校舎だけは何としても守りたいと、学校周辺に様々な仕掛けを施してきました。水車小屋、蛍、水辺空間、観光農園、蛍まつりなど、グリーンツーリズムの下地をこしらえてきました。何時の日かそれらが実を結ぶことを信じています。
学校は木が交わって学ぶと分解して読めば、木造校舎の翠小学校はその言葉どおりです。また学校は楽校とも書きます。学校の内外には楽しいことがいっぱいあるのです。校長先生はじめ心優しい先生たちがいっぱいいて、ひょっとしたらこの学校は日本一とも思えるような物語がいっぱい詰まっています。
この学校がジャパハリネットのプロモーションビデオの舞台になったことは知る人ぞ知る情報ですが、学校が子どもたちの行きたくなるような雰囲気をつくることは教師と親の、そして教育委員会の仕事だと思います。いい学校にいい子は育つのです。
おっといけない。まるで教育長の言葉のようなことを書いてしまいました。私は教育長を失職していたのです。失言しました。
帰り際、久しぶりに出会った子どもたちが「あっ進ちゃんだ」と近寄って声を掛けてくれました。涙が出るほどジーンときて、嬉しかったです。勝手に上がり込んでしまって校長先生済みませんでした。決して怪しいものではありません。
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どうも、先日は大変お世話になりました。早速ブログに書かれておりびっくりしました、この記事のメンバーの一人です。匿名で失礼したいのですが、構わないでしょうか。すいません、ネットで本名書けるくらい強くないのでご了承下さい。
そんなことはさておき、先日質問できなかったことを一つ思い出したので、ぜひ先生のご意見を聞かせていただきたいのです。
翠小学校、大変素晴らしい学校でした。昔ながらの木の暖かさとその全体の雰囲気に感動でした。
ただ、最近思うのは小さい学校での子どもの不利(?)と思える点についてです。一つは生徒が少ないゆえの、多くの子どもに接するということが出来ないということ。数人の子どもでは、社会性というか、いろんな人がいて、いろんな考え方がある、ということを分かりにくいのではないかということです。あの晩の夜の勉強会では「中学、高校で知ればいいんじゃないのか」という考えがでましたが、どうなんでしょう。たとえばクラブにしても、少数ではクラブ活動も限定される。サッカーの上手い子、野球の上手い子でも陸上しかできないかもしれない。
複式学級の弊害は知識が足りなすぎるので書けないのですが、こういうことが気になってます。
ぜひご意見いただきたく、といっても大変ご多忙(!)と思われますので、お手すきのときで結構ですので、よろしくお願いします。