○童謡を歌う
私は只今ハーモニカに凝ってます。それというのも3年前にNHKラジオ深夜便「心の時代」に、それぞれ1時間ずつ2夜連続出演したとき、NHKのディレクターが「夕日を三つの音にしてください」と言われました。さてあなただったらどうするでしょう。変わり者の私はその時、夕日のミュージアムに設置している500万円のオルゴールで「夕焼け小焼け」を奏でました。2つ目はその日の日没が6時30分くらいでしたから、「双海町の夕日は沈むときジューンと音がします。その音をお聞かせします」と言って、妬け火箸を三本真赤に焼いてブリキのバケツに水を張った中に入れました。もうひとつは息子から貰った僅か15穴のハーモニカで赤とんぼを吹きました。
するとどうでしょう。朝4時から5時の早朝放送にもかかわらず聞いた人がたくさんいて、全国からたくさんのお頼りやらお電話をいただきました。その数は半端な数ではなく、役場の電話がパンクするほどでした。その中に東京の目の不自由な方がいらっしゃって、お電話で「私は生まれた時から目が不自由で雄飛の美しさは分かりません。でもあなたのハーモニカで「赤とんぼ」を聞いた時、私の体感音楽というのでしょうか、死んだ母を思い出し、涙が止まりませんでした。是非あなたの案内で夕日を見たいので羽田発松山着の飛行機に目の不自由な仲間4人が乗りますので、飛行場へ迎えに来てください」と言うのです。一瞬「えっ、目が不自由なのに何で」と思いました。
でも4人は飛行機でやって来ました。私は飛行場まで迎えに行き、シーサイド辺りを案内しながらハーモニカを吹きました。4人とも涙を流して聞いてくれました。このときの感動は今も忘れられません。余談ですが4人の目の不自由な方は私が独身だと思って、お嫁さんを探してあげるなんて気の早い一幕もありました。でもその時シーサイド公園に同様の小路を作りたいという夢が現実になって、6基の童謡歌碑が出来たのです。まさに夢はドリームではなくターゲットなのだと思いました。
時代は変わったもので、赤とんぼなどの童謡をハーモニカで吹いて小学生に聞かせたら「それ何」でした。
私は時々我が家に遊びにやってくるわが孫に童謡を教えています。赤とんぼも夕焼け小焼けも、海、どんぐりころころ、かえるの歌などなどレパートリーも広くなり、私が歌うと拍手をしてくれます。同様が孫の成長にとって如何ほどの値打ちがあるのか分かりませんが、孫と私の節もげなハーモニーも捨てがたいジジバカぶりでしょう。笑わないでください。
笑売啖呵(短歌)
ハーモニカ やっと吹けたと 思ったら その童謡(うた)なにで ずっこけました
一度ふたみシーサイド公園の童謡の小路へ遊びに来てくださーい。ハーモニカ持参で案内します。