shin-1さんの日記

○スイカなしで夏は乗り切れない

 「スイカは果物か野菜か?」と問われたらあなたはどう答えるでしょう。売るのは野菜屋でも果物屋でも売っているので売る店での判断は出来かねますが、スイカを漢字で書くと「西瓜」ですから、多分瓜の仲間で野菜だと思うのです。夏になると店先にデンと並ぶように座わっている姿は何とも頼もしく、やはり夏を代表する食べ物に違いありません。スイカのテレ具合は外の表面を手で叩いて見るとよく分るのだそうですが、私などは未だにその音の区別ができないのです。最近はスイカを買ってもそれ程まがい物はなく、まるで品質が保証されているように、どのスイカもそれなりにテレてそれなりに美味しいのです。昔母がわが家で家庭の食べ量としてスイカを作っていた頃は、スイカの花が咲き受粉受精すると日時を書き込んだエブ札を竹につけて立て、それを目安に収穫していました。それでも日時を見誤ることが多く、テレていないまだほんのり赤くなった、しかも種が黒く熟していない未熟のスイカを切ってガッカリしたことが何遍もありました。この頃は親父も家庭菜園でスイカを作る事を断念したため、スイカは買って食べるものになりました。

 スイカには小玉スイカから大玉スイカ、丸いスイカからラグビーボールのような楕円スイカ、縞模様から真っ黒スイカまで種別も様々です。また中の色は99パーセントが真赤ですが、中には時たま黄色いスイカもあって、面白いものです。わが家は田舎なので近所に農家が多く、時たまスイカのおすそ分けがあります。先日も何人かの人がスイカを持って来てくれました。持って来てくれる時期が重なるためなり口のツルの古さを見て古い方から急いで食べますが、あんな何処にでもある変哲もない畑から何であんな赤い果汁が出来るのか、凡人の私には子どもの頃から続いて未だに解決できない謎なのです。

 私の町には愛媛県内ではちょっと名の知れたスイカの名産地があります。東峰という山あいの国道56号線沿い位置する20戸足らずの小さな集落では、夏ともなると国道沿いに掘っ立て小屋のような季節限定の露店が並び、顔見知りのおじさんやおばさんが愛嬌を振りまいてスイカを売っています。スイカの販売は夏休みが始まる少し前からお盆までが勝負で、その集落では約1ヶ月間を稼ぎ入れ時として昼夜を分かたず働きますから、昔からこの時期には集会などは避けるようにしています。しかしお盆が過ぎるとスイカの味も落ちるので殆ど売れないそうです。それでも秋の実り以外の収穫や収入だけに東峰の人の暮しは税務署が目をつけるくらいですからかなりの儲けがあるのでしょう。国道沿いから見えるスイカ畑には押ししそうなスイカがあちこちにゴロゴロ転がっていて、何とも長閑な農村の風景を醸しています。

 私はスイカが大好物です。家内もその事を承知で東峯の知人からスイカを分けてもらい、惜しげもなく毎日三度三度の食後にスイカを食べさせてくれるのです。「東峰の山スイカ」と呼ばれるスイカは絶対といわれる程に当りハズレがなく美味しく、私にとってこの一ヶ月は妻に言わせれば「スイカで生きている」という表現がピッタリなのです。

 スイカは捨てる皮の部分が多く、ゴミ出しに大変だとか、家族が少なくなって大きなスイカが売れないとか、冷蔵庫を占有してしまうので敬遠されるとかいう話をよく耳にしますが、それでもわが家はスイカをどの家よりもよく食べる自負しているのです。

 新聞やテレビでは近づくお盆の帰省ラッシュが始まったと報じています。私の頭の中は「ああスイカの味を楽しむのも後10日くらいか」と思ったりします。昨日のように35度を越える猛暑日には外出から帰るとおやつ代わりにスイカを食べます。すると体中の汗がスッと引いて涼が蘇えってきます。

 今は昔と違ってスイカも温室栽培などで年中出回るようになりましたが、やはりこの時期のスイカは旬の味だとせっせとスイカの味を楽しんでいます。

  「朝昼晩 スイカ食ってる この夏も 利尿効果で 元気に過ごせ」

  「種無しと 笑って種を 飲み込んで 糞と一緒に 水に流して」

  「赤スイカ 食うのに何故に 赤い尿 出ぬのか不思議 子どもの頃から」

  「盆が来て 仏壇横に スイカデン 供えて母の 在りし日思う」 

 

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