人間牧場

○ハマチ3本千円の波紋

 私は伊予市双海町上灘灘町という所に住んでいます。農業と漁業以外これといった働き場所はなく、農業を守っているのは主に高齢者で、若い人は外に働きに出かけて平日の昼間は町内にいないのです。漁業は殆んどが専業で、底引き網や船引き網、流し網などで生計を立てています。
 彼岸花の真っ赤な花が咲き始めると、毎年の事ながらサワラ流し網にハマチが大量にかかるのですが、この時期のハマチはまだ小ぶりで脂が乗っていないため、市場ではどちらかというと厄介ものみたいに言われ、どこの市場でもダブついて中々買い手がつかず、安値で取引されているようです。これを大量貧乏というのでしょうが、漁師さんにとって見れば折角漁獲した魚が売れないのでは、燃料高騰のこともあって泣くに泣けない秋を迎えているようです。

 先日灘町の有線放送を通じて、「ハマチを3本千円で販売しているので、欲しい人は市場まで買いに来てください」と漁師町お馴染みの放送がありました。私は妻に頼まれ嫁に頼まれて、4千円を持ってトラックで買いに出かけました。お金を四千円支払い、3袋貰ったところで漁協女性部長の北風さんが、ハマチ2本とアジを5匹袋に入れてくれました。私はそのまま自宅へ帰りお裾分けの準備をしましたが、どうやらドサクサで1袋いただくのを忘れたようです。まあ済んだことだと諦めて、先日新米を1袋いただいた西岡さんや、日ごろお世話になっている宮栄さんに持って行ってあげましたが、大層喜んでいただきました。
 さあそれからが大変です。わが家の分と嫁から頼まれた分を5匹も、外の調理場で三枚に下ろす作業をしました。まあ大変といっても鱧のように手間のかかる魚でもないので、30分余りで調理を終えました。

 その夜はハマチの刺身、次の日はハマチのづけ丼、明くる日はあら煮とハマチ三昧の日が3日間も続きました。私はどちらかというと青魚タイプの人間なので、西岡さんからいただいた新米のご飯に程好くあって、食欲の秋を大いに満喫しました。
 「ハマチなんて」と人は馬鹿にしますが、天然の新鮮なハマチは下ごしらえさえしっかりすれば、これはもう最高のご馳走なのです。最近妻が作ってくれるづけ丼も有精卵の卵をかけ、もみ海苔や青葉かネギを乗せて山葵を効かすと、外食で食べる海鮮丼など比較にはならないのです。
 せっかく海の町に生きているのですから、せっせと魚を食べて大いに元気になろうと思っています。近々「3本千円」の放送があったら、またハマチ料理を楽しみたいと、今から楽しみにしています。ハマチはモジャコ、ワカナ、ヤズ、ハマチ、ブリと、成長に合わせて名前が変わるいわゆる出世魚です。この魚にあやかることは、もう望むべきもありませんが、大根が大きくなったらブリ大根も美味しいですね。

  「三本で 千円ハマチ 買い求め お裾分けする 山里の人」

  「刺身食べ 次は漬け丼 次の次 アラ煮を食べて 一件落着」

  「青魚 DHCとやら あるという どこか健康 なった気がする」

  「この俺も ハマチあやかり 出世する どころか今は 下降線気味」   

 

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