shin-1さんの日記

投稿者: | 2008年7月14日

○お父さん、どう

 昨日は人間牧場での一泊二日の宿泊研修を終え、埼玉のお客さんが帰ってから、妻と二人で妻の両親のお墓参りに出かけました。出かける時妻は決まって、「お父さん、どう?」と聞くのです。外出の前に二人は「何を着て行こうか」といつも悩みます。男の私でもそう思うのですから、妻は歳をとったとはいえ一応女性ですから身だしなみに気を使うのは当然ながら、質素を目論む妻にはこれといった洋服の浪費もさせず、貧乏暮らしをさせてきたため、その癖が板について、それなりの格好しかできないのです。それでも何とかより美しく見せたいと思うのはやはり女性の本能なのでしょう。

 「お父さん、どう」に私は私見を交え「いいんじゃない」といいますが、洋服、帽子、化粧などなど、コーディネートした姿を自分で鏡を見てから私に何度も聞くものですから、面倒臭くなって最後は「それでいい」とか、「よく似合う」とか、「わしがええというのだからええ」などと上の空の返事を繰り返すのです。

 しかし不思議な事に、ファッションに無頓着な私でさえ、「おいどうだ」と妻に聞き返すのです。私は身につけるものには殆ど関心を示さず、身につけるもの全てが妻の見立てで、妻が買ってきたものです。買ってくるもの全てにケチをつけ、買いに行こうと誘われる度に「面倒臭いから行かない」とダダを捏ねるのです。

 昨日は妻が格好いい服を着ました。少し若向きのデザインです。「何だ?それは。少し派手なのでは」と文句をつければ、「私はまだ若いんだしこれくらいは着てもいいのでは」と反論しました。「デザインも分らぬ俺に聞くな」とやり返すと、「あなたにしか聞けないのだから」とこれまた反論です。結局「まあまあ似合う」と持ち上げたためその洋服に決まりました。

 「お父さんも着替えてね」と、妻がタンスから出した洋服に私も着替えました。鏡に写してみましたが、人のことをいうようなものではないにしても、少し男前になったような気がして妻に、「おいどうだ」と聞きました。妻は「素敵よ」と人を小馬鹿にしたような感想です。それでも褒められると悪い気がしないのは人間で、今年の父の日に息子嫁がプレゼントしてくれた帽子を被り、「おいどうだ」と追い討ちをかけて聞きました。ハッと気がついたのですが、妻と私は外出前に夫婦で毎回、同じようなことをいい合っているのです。それでも二人は少しだけけなされ、少しだけ褒められたりしながら人生を過ごしているのですから、犬も食わない他愛のない話です。

 昨日は暑いのに墓地に行き墓地の草引きをしました。お寺の上の八幡浜湾が一望できる墓地は夏草が生えていたので、妻と二人で草を引いたのですが、汗が出てきました。せっかくいい格好をしたのに二人とも台無しです。汗を拭いながら草とは偉いものだと思いました。妻の実家の墓地はそうでもないのですが、近所の墓地は荒れるに任せて草が生い茂り、その草が墓石を傾かせているのです。人間の力でこの墓石を動かすことは出来ないのに、驚くなかれ草は石さえも動かすのです。

 実家に立ち寄り、八幡浜の魚市場で開かれている日曜市にちょいと立ち寄り、県庁の顔馴染み職員である井野さんに出会ってじゃこ天までいただき、汗を流そうと夜昼トンネルの近くの温泉に入り、束の間の時間を夫婦で楽しみました。温泉から出てきた妻は磨きもかかって、「お父さん、どう」と聞く言葉に、「おいどうだ」と私も聞き返しました。夫婦の他愛のない会話でした。

  「お父さん どうだと妻が 聞いてくる まあまあ返事 少し不満か」

  「他愛ない 夫婦の会話 犬食わぬ こうして歳を 重ねて行くか」

  「凄いなあ 草が動かす 墓地の石 俺の力じゃ 動くはずなし」

  「回数券 お得ですよと 勧められ 損をしたような 得をしたような」