shin-1さんの日記

○調子の悪いわが家のFAX

 私が役場に勤めていた若い頃、文章の送付はもっぱら封書でした。故に東京や県庁などから文書の催促があると、「送ったのでもう間もなく着くと思います」などと嘘をついて、急いで文章を作り送ったものでした。公文書はタイプライターで打ち、計算はソロバンかぐるぐる回すタイガー計算機、複写はカーボンといった長閑な時代でした。ところがコピーや電卓、ワープロが導入されたり、電話回線で文字が送れるFAXが登場して、私たちの事務能力は一気に倍増し便利な世の中になったのです。そしてほんの数年前にパソコンがお目見えし、オフィスは一変したのです。当時を知る者にとっては隔世の感がしますが、最近はパソコン万能となって、FAXさえも時代遅れの感がして、FAXの利用が殆どなくなってしまったのです。

 それでもわが家には、FAXと電話併用が設置されていて、FAX愛好家に利用されているのですが、娘の勧めで一緒に購入したFAXが、新品の時から調子が今一で、送られた文章がローラーに巻きついたり、送られた文章の文字が薄く判読できにくいのです。

 昨日は外出先から帰ってみると、玄関に設置しているFAXの警告ランプがついていました。見るとFAXに紙が幾重にも巻きついて使用不能となっているのです。外蓋を開けて中に巻きついた送信文書を取り外したのですが、FAXのメッセージだと送信文書3件、〆て20枚未着と表示されていました。慌てて教師を補給しプリントアウトの状態にしましたが、出るわ出るわです。

 中でも北東総研の清水さんからの文書は原稿校正らしく、しかも校正締め切りが近づいているようなので、インターネットでメールを打ち、メールでゲラを送ってもらうよう手配しました。今日夕方外出先から帰ってメールを開き便利な世の中に感心しながら、ゲラ校正を行い送付しました。

 「FAXの調子が悪い」と妻にいえば、「まだ新しいのに」と、買い替えに乗り気でなく、私が一人で使っている道具でもあるし、またパソコンで用が足りるのではないかと言わんばかりで、相手にもしてくれない有様です。私もFAXは殆ど使わないため、どうしようか思案中なのです。多分近所の電気屋さんに修理に出せば、「買った方が修理するより安い」といわれそうで、悩みは深くなるばかりです。

 使い捨ての時代がやって来ました。わが家のテレビも間もなくアナログ終了の期限が迫ってきました。オーディオも修理不能ながらラジオ専用にして人間牧場で聞いていますが、これも間もなく電子ゴミです。パソコン専用のプリンターや息子のパソコンも倉庫で埃を被っています。あれ程高いお金を出して購入したものが、使われることもなく、ゴミ処理費用を上乗せしないと引き取ってくれないのです。勿体ない話ですがこれも世の中の定めでしょうか。

 今に人間も捨てられる時代が来るのでは?とふと子どもの頃に映画で見た楢山節孝のことを思ったりしました。どんなに時代が進んでも、例え賞味期限の切れる年齢になっても、せめて親だけは捨てることのないようにしたいものです。勿論子どもも同じです。

  「買い換える 話しに妻は 乗って来ず 宙に浮いたか ファックス話」

  「又ひとつ ゴミになるのか FAXも 電気屋さんも 買い替え勧め」

  「読めぬ文字 諦めメール 送ってと 頼むメールに 早速返事」

  「金の要る 事が続くと 渋い顔 リタイア身には 堪える反応」

 

 

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