shin-1さんの日記

○木の中で生きる

 「お父さん、お父さんのことが新聞に載ってるよ」と、3日前の3月21日、朝飯を食べながら新聞を読んでいる次男が新聞記事の中から目ざとく私の名前を見つけて「ほら」と見せるのです。よく新聞に出た役場現役の頃ならいざ知らず、内心「俺は新聞に出るような悪いことはしていない」と思いつつ、「どれ」と息子の指差す小さな催し物告知記事を読みました。

 【久万高原町・木にこだわりのまちづくり研究会】

 24日午後1時半から、久万高原町久万の町民館で。住宅などへの久万材利用を促進しようと、上浮穴林材業振興会議が主催する。愛媛大学名誉教授の猪瀬理さんが久万林業の歩美と課題について、元双海町教育長の若松進一さんがまちづくりと情報発信について講演。大規模林家や建築士がパネルディスカッションをする。参加無料。問い合わせは同会事務局(県久万高原森林林業課内)=電話0892(21)1265。

 息子と私のこの会話を聞きながら、妻が「お父さん、何であなたが木材で生きてきたいわば専門家だらけの久万高原町に木の話をしに行くの?」と不思議がって聞きながら、「なんぼなんでもそれだけは止めた方がいい。断ったら」というのです。息子もその話に同調して「僕もそう思うよ」とやんわりいいながら、「第一木について何を話すん」と返してきました。私はすかさず「お前だったらどんな話をしるかなあ」と問い直しました。「うーん、思いつかない」という口の下、「お父さん、この新聞も元はといえば木で出来ているんと違うん」、「それからこの僕の今食べてる箸だって」、私「箸なんか食えるか」、息子「違う違う、ご飯を食べてる箸だってといってるの」、私「最初からそう言え、日本語は難しい」など親子3人の会話が盛り上がりましたが、内心この話はいただきものだと思ったのです。

 「えっ、3月24日午後1時半からといえば今日か」と思いながら、私は今日の話について色々思いを巡らせました。今日の日を迎えるに当たって事務局から担当者が2人もやって来て事前打ち合わせをやりましたし、A4程度一枚のレジメを出すよう求められていました。レジメの嫌いな私は断ったのですが、私以上に大きな役割を担う大学の教授も出すというのでしぶしぶ出すことを約束しました。しかしレジメ締め切りになっても一向考えは浮かばず督促の電話に急かされて、いい加減なレジメをだしてしまいました。

 【(木)気を使ったまちづくり】   人間牧場主 若松進一

1、私の木にこだわったまちづくり

 ①気(木)になるカバン・気(木)になる名刺入れ・気(木)になる名刺ー情報発信

 ②斧折れマイ箸運動ー環境問題とコップの共磨き

 ③ツリーハウスー広告塔

 ④ウッドデッキ(空間利用)

 ⑤人間牧場(水平線の家・ロケ風呂)ー夢の語り場

 ⑥漁協女性部の山に木を植える運動(森は海の恋人)-海と山の交流

 ⑦県内現役木造校舎最古の翠小学校・丸木舟製作と黒曜石ルーツの旅ー文化

 ⑧高知県馬路村魚梁瀬杉150年生原木の切り株ー人間の一生との比較

 ⑨樹齢200年のヤマモモの木ー動物との共生

 ⑩学校のシンボル樹(ギンモクセイ・イチョウ)-香り

 ⑪これ以外にも(庁舎のモニュメント・4本の磨き丸太・船の模型)~きりがない

2、もし私が久万高原町長だったら

 ①久万高原町千年の森運動(運動と交流)

 ②シンボル的ツリーハウス(遊び心)・久万産材の迎賓館(検証)

 ③木になるカバン製作運動

 ④?

 ⑤?

 ⑥?

 ⑦?

 以上のようなレジメを添付しメールで送ったのです。

 それから今日まで、決して忘れていたわけではないのですが④⑤⑥⑦の?を考える間もなく秋田などへ旅立ち、忙しい日々を過ごして、未解決のまま当日の朝を迎えてしまいました。

 手元に一冊の本があります。たまたま立ち寄った秋田県秋田市の本屋で早川謙之輔という木工匠の書いた「木に学ぶ」という本を見つけました。秋田杉の産地だからと多分こちらの方の本かなと裏書を見ると義府県生まれの方でした。秋田で過ごした3日間は180ページほどの薄いこの本を没頭して読みました。木に関わった人でないと分からない木の秘密が沢山書かれていました。杉の木のルーツ(氷河期を樹残った若狭湾富山湾から秋田、南下して静岡、西南に進んで四国九州、屋久島という説4分類説、屋久島に残った母樹が日本海を北上して太平洋側を表杉、日本海側を裏杉とする2分類説)木が生長するメカニズム、昔の人の知恵、木と人間、道具考、炭の話、木と水、木と薬、木と環境、木と土の関係、木と芸術、木と橋、高野マキ製ヒューム管・井戸底に生の松丸太を敷く知恵、三味線や琴の木が奏でるハーモニィ、木灰と焼き物釉薬、備長炭とウナギ、薪ストーブと風呂(伐採樹の50パーセントは燃料用・先進国は18パーセントだが発展途上国は89パーセント)、日本の伝統囲炉裏などなど、薄っぺら委というよりお粗末な私の知識に衝撃のようなものが走りました。

 求めていた知識の穴を埋める本に出会ったとき、カルチャーショックを受けるのは私だけではないともいます。今日のテーマである「木にこだわりのまちづくり」の木材利用の話は専門家である愛媛大学名誉教授猪瀬理先生にお任せして、私はむしろ無知な雑学しかも一夜漬けの話をしようと思っています。門外な私の話など誰も期待していないのですから、「コンセンサス」を得るどころか「混戦さす」気持ちでお茶を濁しにこれから参ります。結果は今晩のブログ書き込みで続きを・・・・・。


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