shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年3月22日

○女性の爪

 「皆さん、明日は爪の検査をしますので、綺麗に切ってきて下さい」と担任の先生から言われ、慌てて爪を切った少年時代が懐かしく思い出されます。その頃の手は薄汚れて手の爪の中には泥んこになって遊んだ証とでもいうべき黒いゴミが入っていたりしたものです。しかし最近の子どもはそんな遊びもしないことから手はいたって綺麗で、まるで人形のよな手なのです。男性のゴツゴツした働く手は女性と殆ど変わらず、爪などはまるで漫画に出てくる悪魔のように伸び放題の若者も多く見かけます。

 先日秋田へ行く途中飛行機に中年女性の集団が10人ばかり乗り込んできました。40がらみのその女性たちは「赤信号、みんなで渡れば怖くない」的な感じで、どこはばかることなく大きな声で笑ったり話したりの機内でした。その殆どの女性の化粧は濃く、光物もこれでもかと思うほど付けまくっていましたし、冬の寒さなのに下着が見えるほど薄着でコートは毛皮なのに着た服は半袖なのです。何よりも驚いたのは爪の装飾でした。マニキュアなら分るけど、まるで宝石箱から出てきたようなネイルアートの爪を着けているのです。

 私はふと妻のことを思い出しました。結婚以来37年程が経ちましたが、爪にはマニキュアなど殆どせず、働き詰めに働いてきました。妻の指先はマニキュアおろかいたるところに傷が出来てリバテープがいつも貼ってありました。指輪よりリバテープが似合う年頃だといえばそれまでですが、まさに働いた手なのです。横目でその人たちの飾ったネイルアートを見ながら、「この人たちは家で炊事や洗濯などの水仕事をしているのだろうか」とふと思いました。勿論この人たちが今流行のセレブ集団だと話は別ですが、子どもも夫もいるだろうにと、むしろネイルアートをしないで頑張る妻が誇らしく思えてきました。

 指先の芸術といわれるネイルアートがお目見えしたのはオリンピック陸上100メートルで金メダルを取ったジョイナーさんがまるで鷹の爪のような姿をしていて一躍有名になりました。また最近では浜崎あゆみさんがNHKの紅白歌合戦に2100万円の宝石をちりばめたネイルアートで登場し世間をあっといわせました。爪を切れよと教育された私たちの少年時代から考えるとまさに世の中の進歩は目を見張るようです。

 でも私のような時代遅れの人間にはやはり爪はきちっと切った女性の方が清潔感があっていいと思うのです。もし私の妻や娘があんなネイルアートをしたら私は即座に注意をするでしょう。幸い日常生活に追われる妻はそんな面倒くさいことをする暇はないし、娘も助産士なので患者さんの健康第一を考えるとやらないでしょう。

 問題は世の青少年たちです。親の脛をかじっているのに、5万とも10万ともする高いネイルアートに憧れて爪に装飾を施すのは如何なものでしょう。若い世代に流行るものは世間にあっという間に流行します。ピアスも、茶髪も社会の風潮の中ですっかり一般化し、役所に勤める女性も茶髪でピアスは常識になりました。多分ネイルアートをした若い女性が役所の窓口に立つ日もそう遠くないことでしょう。でも親から貰った日本人特有の黒髪を何故茶髪にしなければならないのか、耳に何故穴を開けてピアスをしなければななないのか、爪にまで何故ネイルアートをしなければならないのか、いつの時代も美しくありたい、美しく見せたい女性の気持ちは変わらないようです。男性だってつい最近はイアリングやピアスの時代ですからね。私は古い人間です。

  「横の席 ネイルアートの おばちゃんが 恥じらいもなく 大声笑う」

  「リバテープ 似合うわが妻 輝いて 見える私は 古いのかしら」

  「アイドルに なりたい夢を 持ち続け 四十なっても まるで幼稚な」

  「孫の爪 切ってすっきり ありがとう せめてこの子は そんな躾を」

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