shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年2月8日

○ああ群馬県上野村・ルポ③

 上野村を今井さん、田村さんの案内で一巡してからその日の講演会に望みました。こじんまりした役場を訪ねると松元村長さんや佐藤企画財政課長さんに温かく出迎えていただきました。講演会場は役場の2階でした。夜7時からなのですが会場は100人弱の人々で満員だし、何よりも嬉しかったのは村の7時のチャイムが鳴ると時間通りに集会が始まりました。時間が守れて人が沢山集まってあいさつが出来る、何気ないことですが当たり前のことがきちんとできるこの村は素晴らしいことです。失礼ですが僅か1500人の村で、しかも夜の集会に100人は凄いことなのです。なおこの講演会の模様はうえのテレビで収録されいつか分りませんが放映されるそうです。

 私の話は私がこれまでやって来た夕日を地域資源にしたまちづくりについて約2時間熱を入れて話しました。だのに寝る人などひとりもなく笑いの中であっという間に終わった感じでした。かつて玉村町で私の話を聞いたという議員さんは一番前の席に陣取り、熱心にメモを取る姿も見られました。私の話に感動したとあくる朝、黒澤議員さんがわざわざ宿舎を訪ね名刺交換するほのぼのもありましたし、わが家へ帰ってみると既に私宛のメールも何件か入っていて、少しホッとした感じです。

 明くる日は公社職員と役場職員20人ほどを対象に「観光を目的とした地域づくりにおける行政と第三セクターの役割」について講義と座談会を午前中やりました。昨晩の講演を受けての話なので、参加した方々からは専門家らしい質問も出されましたが、私の話は概ね次のような話をしました。

  観光を目的とした地域づくりにおける行政と第三セクターの役割

      行政の役割           

 ①条件整備(施設・設備)    

 ②指導者の養成のための研修   

 ③指導助言               

 ④観光的時代の流れを読む     

 ⑤意識と行動調査(人・もの・情報) 

 ⑥情報の受信と発信          

 ⑦ネットワーク機能の構築      ?

 ⑧財政計画               

 ⑨未来予測(シュミレーション)   

 ⑩トータルバランス           

 

    第三セクターの役割

 ①運営スタッフのレベルアップ

 ②運営・経営計画の作成と実施・見直し

 ③スキル(やる気・技術)のステップアップ

 ④観光的物語をつくる

 ⑤情報戦略(インターネット活用やPR活動など)

 ⑥商品啓発と販売戦略

 ⑦情報公開と説明責任(役割感・村民への理解)

 ⑧ラインとサークルの確認(命令系統・経営系統・税系統)

 ⑨イベントの企画・計画実施・反省評価

 ⑩施設保全とリニュアール計画


 特に気になったことは次の三つです。

1、上野村には公共が多過ぎる。

 上野村の施設の殆どは対外的な観光施設が他の市町村に比べ飛び切り多いように思います。今はまだそれらの公共施設が立派なので問題はないと思われますが、やがてこれらのハードは出来たときが100でも限りなく0を目指すのです。例えばやまびこ荘の温泉施設のポンプ改修工事が7千万で検討されていると聞きました。それだけの資金調達は多分村の一般会計でまかなわなければ公社では不可能だと思われます。今後各施設が老朽化した時のことを考えておかなければなりません。

 外向きの公共施設に比べ図書館や公民館といった村民の文化や福祉施設が遅れていることも気になります。問題はこれらの施設を不の遺産としないための方策が必要だと思うのです。

 観光で得た収入と支出のバランスシートを考えなければ赤字や破産といった運命を辿ります。公社職員には臨時職員も多いようで、悪しき弊害である役場的な親方日の丸では生き残って行けないのではと感じました。経営は必要経費と人件費が大きなウエートを占めています。人件費削減は経営健全化のポイントなのです。過言かもしれませんがもうそろそろ公共から民への移管や使命を終えたものを整理して自立の道を模索した方がよいように思います。

2、公社の生き残る道

 観光にとって大切なことはいかに物語を作って人を呼び込むかというこれまでの手法と同時に、来ない人に観光資源をどのように売り込むか知恵が必要だと思うのです。これまで上野村では十石味噌などかなり沢山の商品を開発していますし、木工品などの素晴らしい商品もできています。これらの商品は村に観光に来た人にだけ売るのでは最早限界があるようです。そこでインターネットを使って注文販売することをさらに研究して進めるべきでしょう。十国味噌は今井さんたちの努力で味噌作りツアーとしてリピーターも出来るなど成長しつつあります。こうした味噌作りツアーに地元のおばちゃんたちが持っている食文化をくっつけ、村民を巻き込んでゆけば、更なる発展が期待できるようです。村民の暮しから生まれた文化をレシピや指導者として活用すれば、これまで地域づくりには疎遠だった教育委員会の機能が村づくりに生かされるのです。そして年に一度味噌祭りでグランプリを競うような巻き込みも可能になるでしょう。

 私は今回ウッディー上野村で斧折という木で作った箸を買い求めました。その箸には「風光明媚な深山に育つ木は数々あれどこの木の堅さは日本一、斧が折れるほど堅いことから斧折れ・・・・の名の由来となっています。心身の健康はあなたの食卓から」と袋に書かれていました。もう一つ買い求めたのは箸箱です。2点セットなのですが私はこのマイ箸をカバンに入れて全国行脚をすることを決めました。そして割り箸が森林資源を失わせている環境問題を上野発の運動として起こしたいと考えています。森林組合長さんが私の木になるカバンを見て、作ってみようといわれたのも、上野村だからこそ出来ることなのかも知れません。要は実践でしょう。

3、御巣鷹山のイメージ

 上野村と聞けば御巣鷹山の日航ジャンボ機の墜落事故といわれるほどに日本中の皆さんは上野村のことを知っています。しかしそのことが強烈なイメージとなり過ぎて、それ以外の上野村は殆ど知らされていないように思われます。麓に出来ている慰霊碑も素晴らしいし、この悲しい物語を村民の温かい心で守り伝えていることも伝えたいものです。またダムの村や温泉の村など見所訪ね所、食べ所満載のイメージをもっともっと売り出さなければなりません。悲しくも亡くなった坂本九ちゃんの「上を向いて歩こう」なんて歌も上野村にはピッタリだし、道の駅は「ああ上野駅」で売り出すこともできるかも知れません。


  「斧折れの 堅い木削り 作り箸 今日から俺は マイ箸運動」

  「上野言や 井沢八郎 思い出す そんな時代を 生きてきた俺」

  「九ちゃんが 眠る上野の 慰霊碑に 両手合わせて しみじみ思う」

  「春来れば 上野の桜 咲いてるだろか 思い出させる 村を訪ねて」


           

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