shin-1さんの日記

○観光イチゴ園

 今年の冬は想定外に寒く、北日本では大雪が降って100人を超す人が雪の犠牲になるなど、南国四国では考えられないような痛ましい事故が起こって、福井の大雪を体感しただけに心を痛めています。そんな中わが町では早くも観光イチゴ園がオープンして、沢山の人がやって来ています。

 人間という動物は身勝手なもので、自然をコントロールして生きています。さすがに夜明けをもっと早くなんてことは出来ませんが、植物に休眠期がある特徴を生かして秋や冬を体感させて目覚めさせ、年末までに温度をかけて春が来たことを教えるのです。そうするとこの寒いというのにイチゴは花をつけ実をつけて美味しいイチゴが出来上がります。

 しかもこのイチゴ、高床式とでも表現するような場所で土の代用となるロックウール床に送られる栄養分だけを吸収して成長するのです。まあ早い話がハウスの中はイチゴ生産プラント工場なのです。中に入ると地蜜蜂が飛び交い受粉交配して一足早いすっかり春めいた雰囲気です。6齢まで収穫する、つまり6回も実を成らせる多収穫栽培で5月末まで収穫できるのですから驚くほかはありません。

 今年は年末年始にかけて寒い日が続き、曇天の日が多いため日照不足で少し生育が遅れていると農家の方の表情は暗かったようです。

 みかん作りしか芸のなかった若者が、みかんの裏作として複合経営を目指し始めました。最初は試行錯誤の連続でしたが、シーサイド公園の観光客を誘導することにも成功し初年度は4軒で1万人を集めることができ、その後想定内の観光客を当て込んで増設や関連施設を整備した結果、徐々に観光客は増えているようです。初期のころ集客に一役買った私としては嬉しい限りです。

 集客で想定外だったのは最近になって高齢福祉施設が周辺市町村にいっぱいできて、高齢者が定期的に沢山来てくれることです。とりたてて楽しみのない施設入所者にとっては遠足気分で来れる観光イチゴ園はまるでユートピアといった所でしょう。高床式で車椅子でも入れるので安全と安心が確保されています。

 この観光イチゴ園にとって最大の武器は原風景です。愛媛県で最も古い現役の木造校舎「翠小学校」や水車小屋、周辺の河川・道路改修など穏やかな田園風景も魅力です。初夏には蛍も飛び交いノスタルジックな雰囲気は少年の頃の思い出へといざなってくれます。

 一度観光イチゴ園へ家族で早い春を探しに来てみませんか。ご案内します。

  「ハウスでは早くもイチゴ赤く熟れ特老マイクロ笑顔運んで」

  「ミツバチが小さな花に来て止まる女王のためか農家のためか」

  「木造の校舎と水車長閑なり見ているだけで心ポカポカ」

  「イチゴ園農家のおばさん薄化粧商売人を若返らせる」

  

  

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