〇恋人岬のモニュメントと夕日の神話
私の人生においてある意味最高の出会いは夕日です。もう随分前のことですが、NHKの「明るい農村」というテレビ番組の取材を受け、その模様が「村の若先生」というタイトルで全国放送されました。その折取材に訪れたカメラマンとディレクターが、迎えに行った上灘駅に降りず間違って下灘駅に降りてしまいました。この間違いが夕日の出会いのきっかけになったのですから世の中は分からないものです。
下灘駅に降り立った二人は水平線に沈むドラマチックな夕日を見て、「この夕日は感動するほど美しい」と言いました。この言葉が私の潜在能力を呼び覚まし、「双海の夕日を日本一にしたい」という想いに駆られ、夕焼けプラットホームコンサートを皮切りに様々な活動に発展していったのです。私の発想の最高傑作のひとつは、ふたみシーサイド公園の中突堤を恋人岬と名付け、その突端にモニュメントを作ったことです。
60㎝の穴を開け、掘り込んだ少年像が指を差しているモニュメントには「夕やけこやけの赤とんぼ」と書かれていて、「負われて見たのはいつの日か」と書いた100m先の石塊辺りから見ると春分・秋分の頃その穴の中に夕日が、スッポリ入るように仕組んでいるのです。この物語はどこも真似のできないであろう夕日への思い入れが込められています。
時あたかもこの時期は春分の頃ですが、シーサイド公園は只今リニュアール工事の真っ最中で中に入れず、自慢の夕日を見ることは出来ませんが、地域づくりにいささかなりとも長年関わってきた私のけだし名言(迷言)は、「10年経ったら物語、30年経ったら神話になる」です。これからもこの神話になりつつあるモニュメントと夕日の関係を、「夕日の聖地」として大いに生かして行きたいと思っています。「この夕日を見ると幸せになるから見にお・い・で」
「綺麗だと 言われて初めて 気がついた 双海の夕日 ここがスタート」
「中突堤 恋人岬と 名前つけ モニュメント据え 穴にスッポリ」
「春分と 秋分ころに 見る夕日 どこにも負けない 今じゃ神話に」
「この夕日 見ると幸せ なるという 言葉信じて 多くの若者」