○今年も蜂蜜採集始まる(その1)
裏山にミョウガが出て、柿の木の根元に真っ赤な彼岸花が咲く頃になると、ナツメの木に登りナツメをとって食べたことや、脚長バチに追いかけられて刺された少年の頃のことが、つい昨日のことのように毎年懐かしく思い出されるのです。と同時に裏山4箱、人間牧場4箱に入った日本ミツバチのことを思い、そろそろ蜂蜜採集の時期だと思うのです。10日程前ミツバチの師匠である西予市野村町の井上登さんから、「そろそろどうだ。蜂蜜採集の日が決まれば手伝いに行くから」と有り難い一報がメールで入っていたものの、私のスケジュールが立て込んでいたり、健康診断結果のちょっとした騒動で、まったく予想がつかず、すっかり連絡が遅れていました。気になりながら様子を伺っていましたが、思い切って井上さんとメールで連絡を取りあえず決行することにしました。
私が井上さんの指導や馬路村の木下さんの世話でいただいた、巣箱を使って養蜂といえるかどうか分からない養蜂を始めてから、早いもので今年で5年目を迎えました。その間ミツバチの入居に一喜一憂したり、ミツバチに何度も刺されたりしながら、今日を迎えているのです。最初は巣箱3つから始めた養蜂も、今では8箱とその数を増やし、1年目1升、2年目2升・・・・、5年目5升を目標に掲げてその目標どおりの成果を上げて、4年目の昨年は5升5合の蜂蜜を収穫することが出来たのです。これも偏に「ミツバチ飼育は愛情一番」と教えてくれた、井上師匠のお陰だと感謝しながら今年も最初の目標どおり5年目5升を目論んでいるのです。井上さんは約束どおり10時に人間牧場へ軽四トラックに採密の七つ道具を積んでやって来ました。今年は人間牧場の近所に住んでいる西嶋さんも、向学のつもりでギャラリー参加をしてくれました。
今年は空がどんより曇っていたこともあって、蜂の様子が比較的落ち着いていたので、巣箱をウッドデッキまで運び、別の箱を重ねることもせずに、いきなりプラスのドライバーで天板を止めているネジを慎重に外し、井上さんが細いワイヤーで天板と巣を切り離しました。巣箱を逆さま斜めにして、細長い専用のノミで切り取り、8段ある巣を次々と取り出して、太いポリ容器に毛刷毛でミツバチをそっと追い払いながら入れて行きました。最初の2箱は持ち上げると手に重さが伝わるほど重量感があり、期待通り蜂蜜が溜まっていましたが、期待していた重箱型の巣箱もお墓の上の巣箱も、殆んど採集できませんでした。それでもポリ容器に満杯で、4升はあるかもと淡い期待を持ちました。
潮路という国道沿いのレストランで軽い昼食を食べ、わが家まで戻り裏山の三つの箱を、同じような方法で採集しましたが、ここでもポリ容器に満杯の収穫がありました。ここでも同じような方法で、今年はミツバチの犠牲を最小限度に抑えることができました。今年こそは刺されまいと思っていましたが、終りかけた頃右足の脛に軽い痛みが走り一刺し刺されたものの、妻の作ったジュウヤク焼酎を塗ったお陰で腫れることもなく大事に至りませんでした。
明くる日から簡単なポリ容器の水切り道具で、蜂蜜を採取しようとする長男息子と、家庭用サウナに持ち込んで強制的に蜂蜜を採集する私の協働作業が始まりましたが、息子も私もスケジュールが中々合わず、少し絞っただけでその殆んどをまだ未処理のままなのです。楽しみがあると思えばいいのでしょうが、息子は早速インターネットで小瓶を注文し、既に瓶詰に心は行っているようです。
「目標は 五年目五升 掲げたが 相手が蜂ゆえ そちら任せで」
「今年も 師匠手助け やって来て 段取り作業 ぬかることなく」
「可哀想 折角集めた 蜂蜜を 人間様が 横取りするとは」
「お師匠に 親子二人が 加わって 採蜜作業 今年も楽しく」