人間牧場

○27回目の夕焼けプラットホームコンサート

 夕日馬鹿を自認する私によく聞かれるのは、「日本一と自慢する夕日を見に行きたいのですが、一年中で最も美しく見えるのはいつですか?」という質問です。私はその度に、「あなたが夕日を見に来た時が一番綺麗です」などと笑って答えるのです。つまり黄砂降る冬の夕日も、菜の花が咲く月と夕日がランデブーする夕日も、夏の炎熱焦がす夕日も、また秋のつるべ落としの夕日も、見ようによってはそれぞれ趣きがあって、甲乙つけ難いのですから、ひょっとしたら私の答えが正しいのかも知れません。
 それでもあえて説明するなら、空気の済んだこれから始まる秋の夕日が一番かも?と思って、一年に一度開かれる夕焼けプラットホームコンサートの開催日を、9月の第一土曜日と決めていますが、この時期は立春から数えて二百十日に当る台風シーズンなので、昨年のように時には大荒れの天気で中止止むなしの苦汁の決断をしなければならないのです。

「風の吹く駅で」を熱唱する子どもたち

 今年も一昨日の9月1日、夕焼けプラットホームコンサートは、昼間の鱧まつりとジョイントするような形で開かれましたが、この日も朝から小雨がぱらついたりして関係者をやきもきさせました。コンサートは出演者のスケジュールを確保しなければならないので、余程のことがない限り多少小雨でも、決行しなければならないので、スタッフは音響道具の上にブルーシートをかけたり外したりしながら準備を進めていました。やがて午後5時頃から下灘小学校児童の「風の吹く駅で」のコーラスで幕を開けました。プラットホームに飾られた白いススキの穂が初秋の風になびき、バックに瀬戸内の海が広がる風景は、野外コンサートならではの雰囲気を存分に楽しませてくれました。

夕日がとても印象的でした

 前述したようにこの日の天気は今一で、西の空は曇っていて、自慢の夕日も期待できないとみんなが思っていました。ところがメインゲストの澄んだ歌声が響く頃になると、何と何と雲間から印象的な真っ赤な夕日が顔を覗かせ、残照が海に尾を引いてこれ以上はないという演出をしてくれたのです。思わず会場から大きな拍手が起こりました。司会をしていた小林真三さんも幕間に「若松さんジーンと来ました」と話されましたが、勿論私も涙が出るほど感動し、仲間も口々、そして遠方から私を慕ってやって来た遠来の人たちも、みんな大満足の手合いでした。夕日が見れない時はコンサートを発案した私の責任とばかりに打ち沈みますが、この日ばかりはまるで私が夕日を見せたように、「どうだ!」とばかりに胸を張りました。そのくらいこのコンサートには思い入れが深いのです。

大阪からやって来た二人の素敵なお嬢さん?
ピザを焼く松本さん

 今年はコンサート会場の片隅で、松本さんや浜田さんたちまちづくり双海人のメンバーは、移動ピザ釜でせっせとピザを焼いて、移動マルシェの実験事業に余念がありませんでした。汗だくで100枚近くも焼き上げたようですが、私は自分で食べることもなく、友人の高岡さんご夫妻に試食をしてもらいましたが、美味しかったとお礼を言われました。
 埼玉県入間市から清水さんたち、高松から溝渕さんたち、高松から私の講演を聞いた人たちがバス一台40人、八幡浜から妻の友人たち、私の親類たち等等、私が誘致した人の数は毎年の事ながら百人を超えていました。この日は大阪から朝日新聞の夕刊記事を見たという、二人の素敵な女性も駆けつけ、嬉しいご縁を深めることができました。私にとって夕焼けコンサートはまさに一服の清涼剤であり、パワーをいただきました。わが息子も建築士仲間と参加者にウチワを配り一役買いました。スタッフの皆さんありがとう。そして知人友人の皆さん、来年もまた元気でお会いしましょう。

 

今年の夕やケプラットホームコンサートポスター

 

愛媛新聞朝刊記事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「今年も 二十七回 重ねたり 夕焼けコンサート 下灘駅で」

  「諦めて いた西の空 押し上げて 真っ赤な夕日 思わず歓声」

  「新聞を 見たと二人の 女性来る はるばる大阪 聞いて呆れる」

  「コンサート 何処吹く風と ピザを焼く 匂い風乗り これも一役」

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