○田処のほたる祭り
昨日は梅雨前線の影響で、西日本を中心にかなりまとまった雨が降りました。水不足のため減圧給水に踏み切っていた松山市等にとっては恵みの雨となりましたが、各地で被害が出ているようで、地盤が緩んでいいる地域では今後の雨の降り方に注意が必要なようです。
私たちの町でも昨日は昼前後にうつすような土砂降りの雨が降りました。過去に2回も裏山が崩れた経緯があるだけに、警戒と心配をしながら様子を伺っていましたが、屋根の雨どいが落ち葉でつまって溢れ、慌てて梯子を使って取り除く一幕もありましたが、大事に至らずホッとしているところです。
昨日は年輪塾の塾生で親友の、亀本幸三さんや西田和子さんたち田処組が計画しているほたる祭りに友人たちと出かけました。毎年の事ながらこの時期は雨がよく降るので、開催が危ぶまれましたが、料理の準備をしてもらっていることもあるので、連絡を取り合いながら妻を誘って出かけることにしました。山道のため帰りが心配という青木晴美さんや、おじさんの急逝で通夜があるという清水和繁さんからは、早々と欠席する旨の連絡がありました。清水和繁さんは昼過ぎ、八幡浜市日土の実家に帰る途中わが家へ立ち寄り、「夕日徒然草・空の書」の校正ゲラを置いて帰りました。早速雨音を聞きながら書斎にこもり、夕方までに校正を完了しましたが、今日帰宅途中に立ち寄って持ち帰るそうです。
午後5時、ほたる祭りのある田処を目指して、下灘~田処までの山道を車を走らせましたが、田舎の狭い山道ゆえ、道の両側には夏草が生い茂り、雨で降った水が沢から溢れて流れ出し、道路の各地で川のように流れていました。大洲と内子の分岐点手前では大きな松の木が根こそぎ倒れ道を塞いでいましたが、まるで暖簾のように枝の下をくぐって、何とか朝ヶ峠を越えて会場へたどり着きました。私の後を走っていた真鍋さんや松本さん、浜田さんたちも相次いで会場に到着し、皆さんの心温まる出迎えを受けました。愛南町から駆けつけた脇田さん家族、宇和島の近藤さんも到着し、午後6時から活性化センターの体育館内で手作りしてもらった弁当に舌鼓を打ち、久しぶりに年輪塾の仲間と談笑しました。
この日は近くの熊野神社で、県指定無形文化財である藤縄神楽の夜神楽が7時から行われるので、水かさが増し濁った矢落川に沿って、神社までみんなで歩いて出かけました。藤縄神楽は昨年も一昨年も見学していますが、雨と霧で境内や拝殿は幽玄の世界のような雰囲気で、かがり火の光が神々しく辺りを照らしていました。神楽関係者の中には顔見知りの方も沢山いて、立って見学していた私たち一行を見つけ、境内の特別席へ案内してくれましたが、雨のこともあって途中で中座しなければならず、心苦しい限りでした。今年は毎年素人参加できる神楽舞にも参加することが出来ず、ほたるが飛び始めた8時にほたるを見ながら活性化センターまで戻りました。
宇和島から駆けつけた近藤先生は、清水さんと青木さんと3人で演奏をする予定でバイオリンを持参していたので、折角だからとお願いして3曲ばかり披露してもらいました。来月愛南町で開かれる予定の年輪塾で披露する「オースザンナ」という曲も初披露となりました。この曲はジョン万次郎が日本に紹介したいわくのある曲なので、みんなで手拍子を打ちながら聞き入りました。地元の方から私へのハーモニカリクエストもありましたが、この日は持ち合わせておらず、お礼のごあいさつで勘弁してもらいました。
大雨を心配して午後9時に会場をお暇し、朝ヶ峠のルートを諦め、柳沢~新谷~長浜経由で帰りましたが、今年は少し寂しいほたる祭りながら、夜神楽、ほたる、近藤先生のバイオリン、それに田処大杉年輪塾生たちの歓待を受け、癒しの一夜となりました。
「雨塗れた 山道走り 峠超え ほたるの里を 今年も訪ね」
「濁流で 濁る矢落の 川沿いに ほたる数匹 行きつ戻りつ」
「かがり火が 雨霧照らし 幽玄の 世界をつくる 夜神楽を見る」
「温かい 心に触れて 手作りの 弁当食べつ お国訛りで」