〇今年最初の講演会
週休二日と振り替え休日の影響で、年末にも三連休、年始にも三連休と子どもたちにとっては長い冬休み、そして普通の勤め人にとっても昨日から始まった三連休は、ちょっとした正月骨休めの三連休のようです。ところが私にとってはこの三連休が仕事始めとなりました。年末年始は体力づくりとブログ記事のプリントアウトという目標を掲げ、いつもの年より少し緊張感を持って過ごしてきたので、昨日はすんなり仕事を始めることができました。 昨日は中山町野中の連合老人クラブから頼まれて講演会に出かけました。いつも中山や広田、小田に行く時通る山道を通って野中へ入りましたが、道沿いのあちこちには数日前の寒波で降った雪が薄っすらと残り、深い山里の厳しい冬の寒さを垣間見ました。 野中の中心は野中小学校ですが、ご多聞に漏れず急激な少子化の影響で学校は廃校となり、その跡地も今は双海町の収集した民俗資料が運び込まれて倉庫として活用されたり、運動場は社会体育や臨時の駐車場として活用されているようでしたが、ここにも縮む社会の現実が横たわっているようでした。
学校のすぐ隣にデイサービスなどの高齢者福祉施設があって、窓越しに見える室内には高齢者の息遣いのようなものが感じられました。少しぬかるんだ道を気にしながらその施設の前を通って、すぐ隣の講演会場である活性化センターへ入ると、30分も前だというのに既に殆んどの人が集まっていて、「まあコタツにでも」と誘われ別室で次々とあいさつに見えられる顔見知りの人たちと、出された番茶を飲みながら懐かしい会話を交わしました。元青年団関係者、元町会議員に加え、双海町の近所へ嫁いで来ている人の両親など様々で、まるでタイムスリップしたような感じで昔の話に花を咲かせました。 中岡会長さんから「少し早いようですが予定した人は全員揃いましたので始めていいでしょうか」と相談があり、10分も早く10時20分に講演会は始まりました。12時からはお楽しみの酒宴を兼ねた新年会が予定されているので、それまでに切り上げなければなりません。相手が少し耳の遠い高齢者なので、つとめてゆっくり、つとめて大きな声で予定された90分間をどよむことなく話すことができました。寒い時期ながら空調もしっかりと効いてベストコンディションだったため、眠る人もなく大いに笑いを誘いながら終始賑やかな反応でした。
講演会が終わるとパックに入った料理が配られ、来賓として加わった議員さんや民生委員さんたちを交え賑やかな新年会となりました。私は双海町で開かれている水仙祭りに顔を出すため、草々に引き上げましたが、中岡会長さんからは段ボール箱いっぱいいただいて帰りました。この時期は冬野菜が不足するころなので大いに喜びました。
山村に暮らす人たちは高齢化社会の中で息を潜めるように日々を生きています。ややもすると歳をとることを後ろ向きに捉えがちですが、人間は誰でも歳をとる訳ですから、そんなに卑屈になったり諦めることはありません。堂々と楽しみながら笑って暮らせばいいと思うのです。私の話がその参考になったかどうかは疑問ですが、講演会の後の質問や雑談には十分にその意気込みが感じられ、頼もしく思いながら山里を後にしました。
「学校も 保育園もなく ひっそりと 静まり返る 山里の冬」
「道沿いに 残雪白く 『寒いねえ』 逢う人毎に 同じあいさつ」
「冬過ぎりゃ 必ず春は やって来る 希望を持てば 何のこれしき」
「逢う人も 逢う人もまた 福の神 昔話に 花を咲かせて」