○美味しいビワが沢山届きました
梅雨とはいいながら初夏が来て、果物屋の店頭にはスイカやメロン、スモモといった夏の果物が次第に多くなってきました。愛媛県はみかん王国なので果物といえばみかんといわれるくらい店先は、年中みかんの売り場がダントツですが、ここにきて晩柑類も姿を消しハウスみかんもまだ走りなので、当分の間は夏の果物に売り場を譲るのです。
私の住んでいる双海町ではみかんの低価格低迷の影響で、最近ビワの栽培が盛んに行われるようになってきました。ビワは今が最盛期を少し過ぎ終わりに近づいていますが、この時期には近所の人がハネ物を沢山くれるのです。ハネ物といっても味は殆ど変わらず、むしろ美味しいくらいなので毎年この時期を楽しみにしています。
数日前からハネ物が沢山届くようになりました。真っ白い発泡スチロールのトロ箱に、産毛をまとったような綺麗なビワが山のように並べられ、「ああ美味しそう、食べてみたい」と思わず思うのです。食べるほどの個数を水洗いして食べ始めると食が進み、もう2~3個とついつい手が出て食べ過ぎてしまうのです。
「ビワは種を買うようなもの」と形容されるように、重量の半分は種と薄皮です。食べる時ティシュペーパーを用意しないと手がびしょびしょになります。また爪の先も灰汁で黒くなったりするため、面倒くさがったり手が汚れることを嫌う若者には不向きな果物ですが、初夏を感じさせてくれる季節の果物なのです。
「この美味しいビワを作るのにどれ程の労力をかけたのだろう」と思うと、手に取ったビワの実がついつい愛おしくなります。冬の寒い頃木に登り摘果しながら一つ一つ紙袋をかけ、カラスや害虫の食害を気にしつつ育てて収穫するのです。袋をはいで選果して出荷するのですが、全てが金になる訳ではなく、ハネ物も沢山出るようです。おすそ分けして貰う方は有難いのですが、農家の苦労は並大抵ではないようです。
琵琶が終割って梅雨が明ければいよいよ暑さも加わります。季節の美味しい果物ビワを沢山食べて今年も暑い夏を乗り切りたいものです。
「ハネ物の ビワが沢山 届けられ 美味い美味いと 言いつつ食べる」
「ビワの実を 口に頬張り 今年また 夏が来たなと 思い返しつ」
「外に出て 口に頬張る ビワの種 遊び半分 遠くへフッーと」
「ビワ食って 種を飛ばして 遊んだな 子どもの頃を 懐かし思う」