○昨日は山口今日は高知
忙しいスケジュールが続きます。昨日は山口今日は高知です。いずれもわが家からは最も遠い場所です。ひょっとしたら北海道へでも行けるくらい行くのに時間を要します。帰りは遅くなる予定です。
こう書いて家を午前4時30分に出ました。カーナビのセットだと一番短距離は中山~内子~肱川~鬼北~松野~西土佐~中村~黒潮町がいいようなので、カーナビの案内に従って走りました。国道56号から197国道を経由して朝が明けたのは愛媛県と高知県の県境あたりでした。トイレ休憩のつもりで口屋内の民宿舟母に立ち寄ろうと思いましたが、泊り客で忙しいのではと思いつつ、その先にある上戸のおばちゃんの手造り加工の店に立ち寄りました。おばちゃんは総菜の手づづkり真っ最中でしたが手を休め、久しぶりの世間話に花を咲かせてくれました。変わらないおばちゃんのガンバリと優しさに心打たれ、作りたてのおはぎをとお茶をご馳走になりました。
この辺りはもう何十回と足を運んだ場所なので目をつむっては運転できませんが、目をつむっても分るくらいです。四万十川沿いに中村へ向けて下ると朝日が出て気持ちのいい朝を迎えました。今は合併して黒潮町となっていますが、大方町は圃エールウォッチングや砂浜美術館で有名でした。時間が早いので松原を超えて砂浜に出ました。今日は少し寒かったものの絶好の天気で、朝早いというのに多くの若者が大きな波に見え隠れしながらサーフィンを楽しんでいました。
これから海に出ると言う兵庫県から来た話会青年に出会いました。色々話しましたが、彼らは土曜日に千円高速道路を利用してここへやってきたのだそうです。車の中で寝泊まりして週末に帰るのだそうですが、1週間休暇を取っての遊びだそうで、何ともうらやましい限りです。職場の同僚や先輩からは、「そんな暇があるのだったらもっと仕事に熱を入れろ」といわれるそうなのですが、ここへ来ると生きていることの実感が湧くのだそうです。同感同感です。
砂の上をゆっくり歩いて渚まで行きました。何処までも広がる太平洋に向かって思い切り深呼吸をしました。とても気持ちのいい朝で、若者の「来ている実感」という言葉の意味がよく分りました。
私はこの遥か沖合を水産高校の練習船に乗って18歳の時、南太平洋へ出かけました。また方向こそ違えこの海の向こうにあるであろうアメリカやメキシコへ青年の船に乗り2ヵ月間も旅をしたのです。また遠くにかすむ足摺岬の丘の上に立つジョン万次郎に憧れて度々その銅像を見に行きました。ジョン万次郎は「ロマンとは夢を形にする行動力である」と言っていますが、漁師の子せがれに生まれて太平洋に乗り出し、アメリカを目指したこともどこか似ているような気もするのです。
私は風の人、海の人です。今日は太平洋と面会し、また新たな闘志が蘇ってきました。