shin-1さんの日記

○人間牧場で育つもの(こんにゃく芋)

 人間牧場も5年目を迎えると様々な作物や果樹が植えられ、土、太陽、水などの自然の恵みをいただいて元気に育っています。梅の古木のように人間牧場開設以前に植えられたものもあれば、スモモやブルーベリー、サツマイモのようにその後植えられたものも少なくありません。そんな中にこんにゃく芋があります。一昨年春野菜の苗を妻と一緒に買いに行った松前町の園芸店で10個のこんにゃくの種芋買い求めました。もっと欲しかったのですが、3年ものの種芋は結構値段がして、園芸店の主人の話によると子芋ができるので気長に育てたら増えていくという話を聞いたものですから10個にしたのです。その年は順調に10個とも芽を出しましたが、一個は途中で枯れて9個だけが今年の春芽を吹きました。どういう品種か分りませんがとにかく親株だけは大きく育って、樹勢も力強いことだけは確かです。

若松進一ブログ

 世話といっても周りの草を刈り、芋の近くは丁寧に草を引く程度しかしていませんが、今年は芋の周りから彦生えのような芽が幾つも出ているので、多分分株したのではないかと思われるのです。今年の夏民俗学者宮本常一の歩いた道を歩くフォーラムに参加して、山深い高知県を旅した時、山村の斜面にこんにゃくが植えられていたのを見ると、蕎麦と同じように荒れ地でもできる、いやむしろ荒れ地を好むのかもしれないと勝手に思い込み、肥料もやらずに育てているのです。こんにゃく作りをしている親友の西岡さんに教えをかって、これからどうすればいいのか考えて行動したいと思っています。と同時に畑の空いた部分にこんにゃく芋の種を植え栽培面積を増やしたいと思っているところです。


 さて、勝手に育っているこんにゃく芋をこれも西岡さんの指導を受けて、今年はこんにゃく作りに挑戦してみようと思っています。幸いかまど小屋もかまども完成間近で、かまどを使ったメニューに是非こんにゃく作りを加えたいと思っています。

 私は子どもの頃から、「嫌いな食べ物を上げなさい」と言われたら、「こんにゃく、海老フライ」と言うほど、こんにゃくが余り好きではありません。良く似ている食べ物にトコロテンがありますが、トコロテンは食感もよく大好物なのですが、あのぶよぶよした食感からか子どもの頃から大の苦手でした。トコロテンもこんにゃくもダイエットアルカリ食品としてもてはやされていますが、私にとっては食わず嫌いとでもいうのでしょうか今でも苦手な食べ物なのです。田舎では山ふぐと言われるように、こんにゃくの刺身は格別だという人もいますので、自分で種芋から育て、自分でこんにゃくを作り、好きになるよう努力したいと思っています。


  「ぶよぶよの あの食感の どこがいい 食べろと妻は いつも盛りつけ」

  「こんにゃくの 芋が芽を吹き 子が育つ こんにゃく畑 もっと増やそう」

  「かまど小屋 できたぞ次は こんにゃくを 作り接待 するの楽しみ」

  「こんにゃくは まるでキリンの 足のよう 斑点無数 不思議作物」

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shin-1さんの日記

○人間牧場で育つもの(二本の杉の木)

 早いもので人間牧場ができて丸4年、5年目に入りました。リタイアしてそれまでの35年間の公務員生活から一変し、自由人になってからの4年間だっただけに、私にとってはあっという間の出来事のようでした。それまで雑草雑木に覆われた放任園は人の手が加わって一変し、見違えるようになりました。そんな中、取り除かれた木や草があるかともえば、生えてくる木や草もあって中々面白いものだと観察を続けているのです。中でも海に向かって建つ水平線の家のウッドデッキの両側にほぼ同じような位置に、まるで植えたかのような杉の木が二本、人知れず生えて成長をしているのです。

 東側に生えている一本は少し遅れたためまだ気づかない程ですが、西に生えている一本は3メートルに達し、来年は水平線の家の屋根を超す高さまで迫るような勢いで伸びているのです。東の成長著しい一本は、屋外の上がりかまち近くに生えているため邪魔なので、そのうち切ろうと思っていましたが何処可哀そうに思って、下枝を少し整理したくらいで成長を見守ることにしたのです。

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(西側に生えた杉の木)

 木は根っこがいたずらをするので家の近くには植えない方がいいと言われています。事実これまでに色々な樹木が家の土台や墓石を狂わせている事例を随分見てきたものですから、本当は今のうちに伐採した方がいいことは分っています。しかしふと、水平線の家の私が落伍高座に使っている150年生の高知県馬路村魚梁瀬杉の切り株のことを思い出しました。150年の年輪を刻んだこの切り株はどこに生え、どんな理由で誰に切られたのか定かではありませんが、色々な経路を経て人間牧場へやってきました。いのちのリレーを断たれた切り株は家主である私と出会い、来た人たちに150年生き続けた物語を語ってもらっているのですが、ひょっとしたらこの杉の苗木は魚梁瀬杉の化身ではないかと思ったりするのです。まさに自然が育んだいのちのリレーなのです。

 種から芽を出し逞しく伸びるこの杉の幼木は、種ゆえ鳥か風によって運ばれ、土の中で芽生えるまでの1年間を過ごしたに違いありません。だとしたら今年小学校に入学した孫朋樹と同じ樹齢になるのかもしれません。偶然でしょうが朋樹という名前に樹がついているのも因縁時見ています。また朋樹の朋は相対する二つの樹を意味しているよです。まあ東の木は少し遅れて生えたためまだ2年生なので、孫尚樹と希心に似ているような気もするのです。

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(東側に生えた杉の木)

 昨日人間牧場でこれら二本の木を写真に収めました。この木の不思議な芽生えをまざまざと見ながら、「この杉の木を育てよう」と思いました。育てるといっても別に肥料をやったりする訳ではなく観察したり、切り株がくれたいのちの物語として話すのです。面白いエピソードが頭に浮かんできました。この勢いだと西側の一本は多分来年には軽く屋根を超えるような勢いなので、邪魔ン部分を枝打ちし今からが育つのを観察するのが楽しみです。

 人間牧場には建設のために伐採を余儀なくされた樹木もあれば、みかん畑の千幕として植えられ、芯や枝を切られながらも脇目を伸ばして生き延びている木もあります。木の世界も人間のエゴに合わされて、切られたり遺されたりと複雑ですが、せめて新しい命として芽生えた二本の杉の木だけは、人間牧場の新たなシンボルとして残しておきたいと思っているのです。


  「気がつけば すくすく伸びる 二本の木 切り株化身? 気になる木だな」

  「いや待てよ ひょっとしたなら この杉は 孫と年齢 同じ成長」

  「杉の種 風か小鳥の いたずらで この地に落ちて この地で芽吹く」

  「意味もなく 生えて育った 杉の木も 意味をつければ 愛おしきもの」

 

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