○美味しいミニトマト
残暑が厳しいといっても今は季節の変わり目で、さすがに朝晩は布団が欲しいくらい冷えてきました。このころになると冬野菜の植え付けが始まるのですが、夏食卓を飾ってくれた夏野菜の数々が最後の踏ん張りとばかりに実をつけて、毎日食べきれないほどの野菜が採れるのです。
その最たるものはナスで、秋ナスの境地に入った長ナスが沢山採れ、食べきれないので親類におすそ分けをしてあげるのです。ナスばかりを持って行ってもと思い、時には南瓜や豆を添えますが、漁師さんなどは野菜を作っていないので重宝がられ、昨日は何とお礼にアマギという魚を二箱も貰いました。さてこんなに貰ってどうしようか思案しましたが、息子の会社の人に差し上げるというので友人の水口さんともどもへ往復1時間半もかけて持って行き喜ばれました。秋ナスが思わぬ福を運んでくれました。
これ以外にも、ピーマンやシシトウなどは、今が旬とばかりに沢山実をつけていますし、ミニトマトはもう食べきれない程の鈴なりです。しかもそのトマトは樹枝の上で完熟したものですからとても甘くて美味しいのです。昨日の夕方発泡スチロールに一杯収穫しました。白い発泡スチロールの箱に入った真っ赤なミニトマトは、まるで宝石箱のようで何とも言えない美しさでした。今年の夏は最初、トマトの天敵ともいわれる雨続きで、せっかく実ったトマトも腐ってしまいましたが、口にするものゆえ消毒もできずにいました。ここにきて雨が欲しいほど雨が降らないため自然治癒力で樹勢が回復したものと思われます。もうしばらくの間、ミニトマトの味を楽しみたいと思っています。
(まるで宝石箱のようです)
家庭菜園の世話をしている親父が、「もうそろそろトマトを片づけたい」というのです。親父は自分が世話をしている菜園が見苦しくなるのを極端に嫌う性格で、このことでいつも私や妻と意見が食い違います。昨日は収穫したトマトを見せ、「こんなに採れるのだからもう少し置いたら」と反論しましたが、いつものことだと軽くいなされました。
家庭菜園の世話をしている親父にしてみれば、私は手伝うといっても収穫するだけしか役に立たず、雑草取りや水やりなどの雑用は全て親父に任せきりなので口答えもできないのです。まあこれも親父の長生きの秘訣だと思って適当な口喧嘩をやっているのです。
(陽足が長く感じられるようになりました)
(大根の芽も双葉が伸びて順調です)
陽足が長くなって、陰と日当たりの部分の温度差が随分違い、季節の移ろいを感じるようになりました。わが家の菜園では親父が水をやった大根が二つ葉を出して伸び始めました。秋はもうそこまで来ています。
「夏過ぎて 名残の野菜 豊作で 食べきれないで おすそ分けする」
「長ナスが 魚に変わり 戻りくる これもすそ分け あれやこれやと」
「ミニトマト 箱に入れると 輝いて まるでチェリーだ 宝石のよう」
「そこここに 秋の気配の 漂いて 親父せっせと 陰で草引く」